「1億円のジャガイモ写真」と「0円のタマネギ写真」を比べてください。現代アートの価値を問う2枚の写真
現代アートなどの作品で、これなら自分にも描けるのではないかと思ってプライスを見ると、目が飛び出るような額が書いてあったなんてことありませんか? もっともらしい説明文を読んでも、どこか腑に落ちない。それが現代アートなのね! とわかったふりをするのが関の山。
今年になってまたも、悶々とさせるような写真作品が高値で取引されたようだ。
■1億円超え!のジャガイモ写真に驚愕
画像は、「Odditycentral」より。その作品は、黒い背景にどこにでもありそうなジャガイモの写真。パリ在住の男性によって取引きされたこの作品「Potato #345 (2010)」の取引額はなんと1億円超え(約108万ドル)と、世界で最も高額な写真ベスト20にランクインすることになった。
よしそれならと、一般人がジャガイモを買ってきて一儲けしようとしても、そんな高値では誰も購入してはくれないだろう。この「Potato #345 (2010)」の作者であるアイルランド出身の写真家ケビン・アボッシュ氏は、主に有名人のポートレートを撮影している凄腕の売れっ子カメラマンなのである。
■撮影者のプロフィール
その被写体になった人は、ジョニー・デップ、スティーブン・スピルバーグ、ダスティン・ホフマン、デニス・ホッパー、オノ・ヨーコなどビッグネームが名を連ねており、アボッシュ氏はポートレート写真の世界では売れっ子の中の売れっ子作家なのだ。アボッシュ氏の写真の魅力は、いかに著名な人物であろうと、その人の内面を瞬時に切り撮ってしまうことにあるという。
だが、そんな氏は実は「ジャガイモ写真」にはまっており、トレードマークの黒の背景に様々なジャガイモをスタジオにて撮影してきており、今までに撮ったジャガイモはゆうに1トンは超えているという。
今回売れた「Potato #345 (2010)」はその中でもお気に入りの一枚だそうだ。ジャガイモ写真についてアボッシュ氏は、「ジャガイモは人と同じで、おなじ種であってもその違いは一目で分かるほどそれぞれ違う顔を持っているのです」と、一流のポートレートカメラマンならではの見解を述べている。ちなみにこのジャガイモ、なんでもアイルランド産の有機栽培で育てられたものだそうだ。
アボッシュ氏。画像は、「Odditycentral」より。162x162cmのスクウェアサイズにプリントされたこの写真は、パリにある彼のスタジオに飾ってあった。ある日たまたまスタジオでワインを共にしていたクライアントの目にとまり、ワインを二杯ずつ飲んだところで「この写真は実に素晴らしい」と述べ、さらにもう2杯ずつワインを飲んだところで交渉が成立したという。まさか酔った勢いというわけではないだろうが、こうして2週間後には正式な額が定められクライアントの手に渡されたという。
他のジャガイモ作品。画像は、「Odditycentral」より。通常彼のポートレート撮影費用は、15〜50万ドルであることから、このジャガイモ写真はジョニー・デップよりも高価なものになってしまったわけだ。
それにしてもこういったアート作品の価値はどのように決まるものなのだろうか?
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