UFOが落とした謎の物体?宇宙人存在の証拠が一転、実際は?
■真相を知る男:ハリソン氏
その夜から11年の歳月が流れた。ホワイト氏はビジネス上の経歴に傷がつくことを恐れるあまり、金属片の存在をひた隠しにしていたらしい。だが懸念が払拭されるとすぐに、彼は金属片を科学的に分析し、私設する博物館に展示することを目論んだ。
分析の結果、金属片はアルミニウムを主成分とする合金であると判明した。また、そこに含まれていた同位体の一部は隕石から発見されるものと一致していたので、ホワイト氏の主張の信憑性はひとまず高まったのである。
ところが近年、海外メディアの取材によって、金属片の正体が明らかとなった。取材に応じたのは、鋳物工場を退職したイアン・ハリソン氏である。驚くべきことにハリソン氏は、ホワイト氏の金属片と同じ物体を“庭の飾り”として利用しているという。
「問題の物体は、溶け固まった研磨機(グラインダー)のカスなんです」
ハリソン氏によれば、融点に近い温度で排出された金属の削りカスは、ホイールガードの下へと垂れ落ち、金属の粉や砥石の破片を呑み込みながら固まって、鍾乳石のように肥大していくという。
「機械の大きさによっては、“鍾乳石”はたやすく60センチ以上の長さに成長することができます」
この鍾乳石は、やがて研磨機の開口部を塞ぐほど大きくなってしまい、ぽっきりと折れた後はリサイクルされたり、前述のように庭の飾りに使われたりする。
「あるいは、UFOから投げ捨てられたと報告されることもあるでしょう」
ハリソン氏は真相の解明を歓迎するとともに、多くの人が産業廃棄物に騙されてきた事実に憤りを感じつつ、自らの見解をしめくくった。
「もっとも、宇宙人たちが航海の最中に研磨機で鋳物を加工していて、そのカスをホワイトさんに投げた可能性は残ると思いますよ。彼らがなぜいまだに原始的な技術を使用しているのか、不思議に感じますけどね」
額に汗して金属を削る宇宙人たち……。どう転んでも夢のある話にはならないようだ。それにしても、ホワイト氏が見た発光体とはなんだったのだろうか? 研磨機から出る火の粉だったのか……?
(文=Forest)
参考:「Express」、「The Skeptics Society」ほか
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