「置いて行かないで…」エベレストに残る200体以上の遺体の意外な役目とは?

 エベレストといえば標高8,848メートル、ヒマラヤ山脈の世界最高峰である。長年にわたり多くの登山家たちを魅了してきたが、その分幾多の悲劇を生む土壌となっている側面もある。

 1953年にニュージーランド出身の登山家であるエドモンド・ヒラリーによって初登頂がなされて以来、実に216人もの命が経たれ、その大半はそのまま放置されているという。標高8000メートル級の高山において遺体は腐敗することなくそのままミイラ化してしまうのだ。


■放置されるミイラ化した遺体

「置いて行かないで…」エベレストに残る200体以上の遺体の意外な役目とは?の画像1画像は、「Atchuup!」より。

 冬になると必ずといっていいほど、毎年耳にする雪山での遭難事故。警察に発表によれば、去年上半期に日本の国内で起きた山岳遭難事故は647件で、うち遭難者数782人、死者・行方不明者は65人と過去最も高い数値となったという。

 雪山登山の危険性は、言うまでもないが、それが世界最高峰エベレストとなればレベルが違うのは間違いない。時に少しの休憩を取ろうとしたまま、永遠の眠りについてしまうこともあるほどなのだ。

 映画『バーティカル・リミット』では、雪崩に巻き込まれクレパスに落ちた仲間をニトログリセリンを持ち助けに行くシーンがある。だが、現実では、そのまま放置されることが一般的だという。映画としては面白いが色々現実離れしている感も強い『バーティカル・リミット』、筆者としては『運命を分けたザイル(2003』を雪山映画としてはオススメしたい。

 1923年、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで「なぜエベレストに登るのか」という質問に、「そこにあるから」(Because it is there.)という有名な言葉を残した登山家ジョージ・マロリーもエベレストで命を落としているのだ。その言葉だけが広く知れ渡っているが、彼の最期を知らない人もいるのではないだろうか。

■デスゾーンと虹の谷

 ジョージ・マロリーは1924年、第3次イギリス遠征隊の一員として相棒のアーヴィンとともに山頂を目指すしたが失踪した。その後、登頂に成功したかすら分からず彼の死は長いこと謎につつまれていたが、登頂を目指してから75年後、ついに彼の遺体が見つかった。

 マロリーの遺体は頂上付近の北壁で、うつぶせの状態で見つかった。いまだに彼が登頂を果たしたのかはっきりとした結論は出ていないが、遺体を発見した際に当時の貧弱な装備に「こんなので登っていたのか」と、驚いたという。

 2014年、タレントのイモトアヤコが日本テレビの番組『世界の果てまでイッテQ!』の企画でエベレスト登頂を目指すも、悪天候に阻まれ断念を余儀なくされている。また、その際には登山家には欠かせない存在であるネパール人登山ガイド13人が死亡し、3人が行方不明となる事故が起きている。

 8000メートルを越すと地上より約50度も気温が低いうえ、酸素は3分の1程度しかないまさに極限地帯である。天候次第では、時速320kmにもなる風が吹くこともある。高山病、凍傷や急変する天候と隣合わせのこのエリアは登山家のなかでは「デスゾーン」と呼ばれるほど死に近い場所だ。

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