誰も解き明かせない「バルト海に沈む謎の巨大異物」 ― 科学者を5年間悩ませ続けるUSO(未確認潜水物体)の正体とは?
昨今、海底探査技術の飛躍的な向上に伴い、海の底に常識では考えられないような構造物や物体が発見されるケースが続発している。謎の機械、神殿、ピラミッド…… 海底に眠るこれら正体不明の存在を総称する「未確認潜水物体(Unidentified Submerged Object)」、略してUSOなる言葉も生まれているのだ。
そして、このUSOの言葉が一気に広まるキッカケとなったのが、2011年に見つかった「バルト海の異物」だった。今回は、発見から5年を経てもなお世界中の学者たちを悩ませ続ける「バルト海の異物」についてお伝えしよう。
■海底に墜落した巨大宇宙船!?
2011年、スウェーデン人トレジャーハンター(史実や伝説に基づき、遺された「財宝」を探しだすことを生業とする冒険家)の一団「Ocean X」は、バルト海に船で繰り出し、サイドスキャンソナーで海底を調査していた。すると突然、衛星電話が通じなくなったかと思うと、ディスプレイに自然の造形による地形とはとても思えない「奇妙な物体」が描画されたのだという。
それは直径61m、高さ8mという巨大な円盤状の物体で、半分海底に埋まるようにして斜めに顔をのぞかせていた。一見すると巨大キノコのようでもあるが、表面に無機質で直線的な模様が刻まれた姿は、まるで映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場する巨大宇宙船「ミレニアム・ファルコン」そのもの。一同は当初「機械の不具合に違いない」と考えたが、後にそうではなかったことも判明。この不可解な事態に、ただただ困惑するしかなかったという。
■科学者もさじを投げた
後日、「Ocean X」のピーター・リンドバーグ隊長、デニス・アスベルグ博士、専属ダイバーら首脳陣は、「バルト海の異物」の正体を突き止めようとソナーのデータを一線で活躍する科学者らに送付、分析を依頼している。しかし、発見から5年を経た現在もまったく手がかりはなし。誰ひとりとしてその実体を特定できずにいるようだ。
「地質構造ではないはずだ。自然では生み出されない金属で作られている可能性がある」(地質学者スティーブ・ワイナー氏)
「私の仮説は、この物体が太古の昔の氷河期に形成されたのではないかということです」(ストックホルム大学准教授の地質学者)
「古土壌、もしくは巨大なマンガンの塊ではないでしょうか」(海洋地質学者)
このように、科学者たちの見解も完全に十人十色だ。そして議論には、いつの間にかオカルト愛好家やUFO研究家らも加わり、「ロシアの沈没船説」から「地球外知的生命体の宇宙船説」まで数えきれないほどの指摘が寄せられているのが現状だ。
「最近、再度ソナー検査をしたのですが、新しく報告するような発見は何もありませんでした」
「まだ確定ではないのですがテレビ番組の企画もあり、そこでなにか(別の試みにより)新しいことがわかるかもしれません」(ピーター・リンドバーグ隊長)
USO(未確認潜水物体)の代表格「バルト海の異物」の正体は、果たして単なる自然の造形なのか、それとも未知の金属か、はたまた沈没したUFOなのか? 調査に進展があり次第、速報でお届けすることを約束しよう。
(編集部)
参考:「The Daily Mirror」、ほか
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