911、大地震、ハリケーン…世界のチャリティー詐欺5選がヤバすぎる!
■募金を呼びかけるインターネットサイトに要注意!
2005年8月にアメリカを襲ったハリケーン「カトリーナ」は、ルイジアナ州ニューオリンズの8割が水没するほどの猛威を振るい、2000人近い死者を出した。ニュースで深刻な被害を目の当たりにした人々が、インターネットにアクセスすると「カトリーナ基金」を名乗るウェブサイトが立ち上がっていた。
ハリケーンで被害を受けた人たちへの義援金を募るサイトには、その趣旨に賛同した人たちが訪れ、サイト経由で送金を行った。
ところが、この「カトリーナ基金」の運営者は、最初から集めた義援金を被災者へ届けるつもりなどなかった。それどころか、サイト経由で送金した人たちの個人情報が、悪意のある第三者へ渡ってしまい、その後、さらに別の詐欺からも狙われる事態となった。
当時は、このような募金詐欺サイトが雨後の竹の子のように出現し、FBIも捜査に乗り出した。多くのサイトは閉鎖され逮捕者も出たが、多額の義援金が掠め取られてしまった。
■「9・11アメリカ同時多発テロ」で私腹を肥やした人々
2001年9月11日、世界中に衝撃を与えたアメリカ同時多発テロ事件が発生した。ニューヨークの世界貿易センタービルやアメリカ国防総省にハイジャックされた旅客機が次々と突入。3000人以上の犠牲者を出した。
この大惨事をきっかけに、多数の慈善団体が設立され、その大部分は被害者や遺族の支えとなった。しかし、当初から義援金を横領するために設立された悪どい慈善団体も存在した。
●巨大キルト制作
アリゾナ州で便利屋を営んでいたケビン・ヘルドは、9・11の惨劇を忘れないために、記念の「巨大キルト」を制作する慈善団体を立ち上げた。団体の取締役にはカトリック教会の司祭も名を連ね、ケビンの意志に賛同した人たちから70万ドル以上の寄付が集まった。
しかし、人々の善意をケビンは、あっさり裏切った。
彼は、自分自身への給与として17万5千ドル、毎週200ドルの車手当を計上。さらに、自分の家族へ多額のコンサルティング料を支払った。それだけではない。ケビンは湖を見下ろす66万ドルの大豪邸へ引っ越した。
これだけ義援金を私利私欲のために使った上に、ケビンは「資金難」を理由にプロジェクトの中止を宣言。当然のように非難が集まると、彼は開き直った。
「だって俺は、慈善活動のプロだなんて一言も言ってない。ちょっとミスしただけだ」
●星条旗販売
コネチカット州に住むジョン・ミケロッティは、アメリカ同時多発テロで亡くなった方たちを弔うため「名誉の旗/英雄の旗プロジェクト」を立ち上げた。これは、亡くなった方たちの名前がプリントされた星条旗を販売し、その売上を遺族に寄付するという、志の高い活動だった。ジョンの星条旗を多くの人が購入し、14万ドルを売り上げた。
しかし、これにも裏があった。
彼は中国の企業に「星条旗1枚5ドル」で発注し、それを25ドルで販売。利益となる20ドルは寄付せずに、そのまま自分の懐に入れた。
しばらくして、このプロジェクトへ疑惑の声が上がると、ジョンは慌てて星条旗1枚につき70セントだけ寄付した。つまり、1枚販売するごとに、19.30ドルはジョンの利益となる、とんだ茶番劇だった。
●牧師詐欺
テロ攻撃を受けた世界貿易センタービル近くの教会で牧師をしていたカール・キーズは、事件発生直後に、クリスチャン向けのテレビ番組に出演し、視聴者へ訴えた。
「被害者の皆さんを助けるために力を貸してください」
この呼びかけに、全米から400万ドルもの義援金が集まった。カール牧師はテロの被害者たちを支援する活動に精を出した。かのように思われたのだが、後に大きな疑惑が持ち上がった。
カール牧師が集めた義援金の内、チャリティーに使われたのは67万ドルだけだったのだ。
「私の教会は何も悪いことはしていません」
カール牧師は反論の声明を出したが、300万ドル以上の大金がどこへいったのかは明らかとなっていない。
日本でも同様に、このような詐欺事件は立件することが難しく、一度、詐欺師やそのグループに渡ってしまった義援金が再び戻ってくる可能性は極めて低い。あなたの善意が被災地へ無事に届けられるよう、義援金の送金先を安易に選んではいけない。
(文=狐月ロボ)
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