インドネシアで「焦げたロン毛のプレデター」が発見される! 地元民「人間の血を飲むジェングロットか…?」

 5月、インドネシアで謎の生物の死体が見つかった。焼け焦げて黒い肌に長い黒髪、異様に細長い顔に大きな眼窩を持ち、胴体は紐で拘束されている。その恐ろしい風貌はどことなく映画『プレデター』に出てくる異星人を思わせる。

 現地メディア「Tribunnews.com」の報道によると、この死体はインドネシア・ジャワ島の北部、プロウスリブ(『千の島』の意)と呼ばれる群島の一つで発見された。死体の大きさは10cm程度で、現地では『ジェングロット(jenglot)』と呼ばれている伝説の生物ではないかと囁かれている。


■ジェングロットは夜行性?

インドネシアで「焦げたロン毛のプレデター」が発見される! 地元民「人間の血を飲むジェングロットか…?」の画像1画像は、「Tribunnews.com」より

 ジェングロットはインドネシアのジャワ島などで古くから伝わる、小さな人間の姿をした生物だ。浅黒い肌と長く伸びた髪と鋭く伸びた爪を持ち、その顔は骸骨のようで鋭い牙を尽きだしているという。地中や壊れた家の屋根、巨木の幹などに住んでおり、ヒトの血液を餌にするという。この生物は不思議な力を持っていると言われており、災害をも引き起こすことができるという。現地の霊媒師が儀式を執り行う際、しばしば現れるという。

 トカナでは、生物学に詳しい理学博士X氏に写真を見せて、解説を依頼した。

「生物学的見地から見ると、まず、この生物は、そこまで物理的なパワーをもちあわせているとは思えません。たとえ鋭い牙や爪を持っていたとしても、体長が10〜20cmと小さいですから、人間を襲うほどの力は持っていないはずです。地中や家の屋根に住むという習性から、もともとは、森の中でひっそりと生きる夜行性の生物だったとみられます。闇に紛れてひっそりと獲物を狩るとなると、スケールは違えど映画のプレデターに近いのかもしれませんね」

 また、ジェングロットは『生き人形』として信仰の対象にもなっており、今も多数のジェングロットが死んだ後に霊媒師に“飼育”されているそうだ。ジェングロットの死体には餌として人間や家畜の血が与えられ、その髪や爪は少しずつ伸びるのだという。

 なお2009年、ジャワ島で捕獲されたというジェングロットの標本がマレーシアサインズ大学のZefarinaらによって科学鑑定されている。この時採取されたジェングロットの髪の毛は鑑定の結果ヒトのものだと判明したが、解剖などの詳しい調査は持ち主によって拒否されたため、それ以上のことは今も分かっていない。

 さて、現地報道によると、今回の死体も現地の霊媒師が引き取ったそうだ。今後は生き人形として飼育されるのかもしれない。
(文=吉井いつき)

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