【昭和文化遺産】柏そごう(千葉県)・回転展望レストランの今を訪ねて
今回、ふらとりと同店を訪ねてみると、その開店時に入居していたフランス料理店『ラ・ロンド』ではなく、同じホテルオークラグループのチャイニーズレストラン・桃源が入居し、営業していることがわかった。実際に中へと入ってみると、円形に広がるその景色は、かつて多くの買い物客や、子供たちを魅了し続けた夢のある展望レストランそのもの。また、経年による変化は感じられるものの、思いのほか賑わいもあり、何よりも21世紀となった今も実稼動しているということ自体が、当時の賑わいを知る者にとって、感慨深い想いを抱かせる。ただ、多くの人々にとって「説明不要」だった時代とは違い、特殊な構造を持つがゆえの注意書きが貼られていることなどを鑑みると、やはりこの「回転展望レストラン」という文化そのものが、平成の世に生きる人々にとって、すでに昔日のものとなってしまっているようだ。
諸説はあるものの、米国初の回転レストランとされているのは、ハワイ・ホノルルにあるアラモアナショッピングセンター内のそれであるが、何を隠そうそのレストランの名は『ラ・ロンド』。おそらくオープン時にこの柏そごうにも、同じ名を冠するレストランを設けたのは、当時の経営陣なりの、夢のような想いがあったのだろう。
静かな店内の中で、しばし、茉莉花ランチ(1950円)に舌鼓を打ちつつ、その後、連絡通路で繋がれたスカイプラザの屋上方面を眺めると、やはりというかその見晴らしは素晴らしいものがあった。その往時、この屋上部分にも、多くの子供たちで賑わう屋上遊園が設けられ、その楽しげな声と笑顔で満ち溢れていたのだと思われるが、既に閉鎖されて久しい今は、その痕跡と思しき模様だけを残すにとどまっている。おそらく、その形状から推察するに、当時は専用軌道を使った遊具鉄道のようなものが、子供たちとその夢を乗せて走っていたのかもしれない。
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2024.10.02 20:00心霊【昭和文化遺産】柏そごう(千葉県)・回転展望レストランの今を訪ねてのページです。Ian McEntire、回転レストラン、昭和文化遺産などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで