トランプ当選を子どもに説明するための“お手本”が登場 → 回りくどい表現を多用「人生は楽なものではなく…」
■“トランプ効果”で教育現場が「警戒レベル」に
きわめて説明し難い話だからといって、語るに値しない話であると子どもに言い聞かせ「気にすることはない」と取り繕ってはならないという。子どもは親が何かを隠そうとしていることに敏感に気づくであろうし、テレビやネットなどからトランプ氏の“ヤバイ話”は子どもたちにもすでにそれなりには伝わっている。
実際にこの“トランプ効果”は教育の現場に波及しており、今年4月に発表されたリポートでは教育現場の2000人もの教師が、トランプの反移民発言が有色人種の生徒たちを不安にさせており、クラスの生徒同士の緊張が「警戒レベル」まで高まっていると報告しているのだ。
人種差別的発言はご存知の通り、かつてテレビで「俺は金持ちで有名人だから、プッシー (女性器を表す俗語)をさわることなんて簡単にできる」など“18禁”の女性差別発言をしていたことが暴露されたりと、トランプ氏のスキャンダルはまったくもって子どもには説明し難いものであるのだが、それでも親として説明すべき時はキチンと説明するのが親の務めとなる。しかしいったいどうやって説明すれば良いのか……。
科学メディアの「Live Science」の記事でイェーガー准教授はトランプ氏の言動を子どもへ説明する際のアドバイスを進言している。
「民主主義はチェック機能とバランス機能を備えたとても複雑なシステムです。もちろん強烈な個性がインパクトを与えることもできますが、すべては所定の場所で適切に処理されます。なぜなら私たちは独裁者の登場を望んではいないのですから」(ケン・イェーガー准教授)
まずは子どもたちにトランプ次期大統領が決して“独裁者”になるわけではないことに念を押し、安心させることが求められているようだ。
■トランプ政権は「個人が成長するチャンス」
そしてイェーガー准教授は親は子どもに、トランプ氏が演説で使った数々の不適切な言葉は、人前で使うべきでないことをハッキリと伝えることが大切であると指摘している。
しかし必ずもトランプ氏の言動がすべて悪いものではなく、特に勝利スピーチで語られた「分断された国家の傷を癒し」て、「共に働くことでアメリカを再建する」という言葉は素晴らしい政治理念であるとして子どもたちに伝えるべきであるとしている。そして何よりも強調すべきはトランプ氏の「チャレンジ精神」であるという。
「人生は楽なものではなく、いつでも挑戦が待ち構えています。最も成功した人間というのは、自分の快適な環境から抜け出して活路を見出した人たちです」(ケン・イェーガー准教授)
そして選挙翌日の朝、多くのアメリカ国民はこれまでの快適な環境から締め出されて目覚める格好となった。だがこの未来への挑戦の途上で、人は以前よりも強く、賢くなれる可能性に包まれているとも言えるのだ。
「この状態は個人として成長できる機会です。快適な環境の外に置かれた時、それは変化して成長できる良いチャンスなのです」(ケン・イェーガー准教授)
つまりこれからアメリカに訪れる“逆境”は、個人を成長させるまたとない機会であることを、ぜひとも子どもたちに伝えるべきであるということだ。もちろんこれはアメリカの子どもたちに向けてだけでなく、今日の混迷を深める世界に生きる我々のすべてがシェアすべき知見と言えるのかもしれない。来年の“トランプ政権”の発足までに考えを巡らし、覚悟すべきことがいろいろとありそうだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「Live Science」ほか
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