「地球=宇宙人の刑務所」だった? 生態学者が示す4つの証拠とは?
■聖書の記述をサポートする「古代宇宙飛行士説」
さて、人類誕生には高度に発達した地球外生命体が関与していたというアイディアは、『プロメテウス』や『2001年宇宙の旅』などのアメリカ映画にたびたび採用されるが、なぜアメリカではこうもポピュラーなのか、その要因を探ってみたい。「サルが進化してヒトになった」とする進化論はキリスト教、特に聖書に登場する出来事を歴史的な事実と捉える、ファンダメンタリスト(キリスト教原理主義者)によって激しく非難されてきた。
ケンブリッジ大学の神学者ジョン・レイトフット氏により、神による天地創造は紀元前4004年10月18日から24日にかけて起こり、アダム創造は同年10月23日午前9時と算出され、その時に全ての生物も個別に創られたそうだ。アメリカは、このように聖書を史実と捉えるキリスト教原理主義が根強く、いまだに州によっては公立学校で進化論が教えられることはない。こういった事情が、「古代宇宙飛行士説」に関係しているのではないだろうか。つまり、「古代宇宙飛行士説」は、部分的に聖書の史実的な誤りを認めることになるものの、進化論を真っ向から否定することができるのだ。「古代宇宙飛行士説」がアメリカでとりわけポピュラーであるのには、このような宗教的理由も絡んでいるのかもしれない。
しかし、冒頭で述べたように進化論にも誤りが認められるようになった今、宗教的理由から「古代宇宙飛行士説」をことさら強く主張する必要はなくなったようだ。いまだに唱えられているのは、それ自体ストーリー性に満ちた魅力的な考え方だからに他ならない。人類進化には、未だに大きな謎が横たわっている以上、あらゆる可能性が生きている、と考えるべきだろう。シルバー博士の狙い通り、議論が活発になり謎が少しでも解明されることに期待したい。人類はどんな過程を経て今の姿になったのか、読者はどのように考えるだろうか。
(文=坂井学)
参考:「Daily Mail」、「Ancient CODE」、ほか
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