』冬青社
■西洋絵画のアスペクト比を応用
『FLESH LOVE RETURNS』でハルさんがこだわったのが、アスペクト比を含めた背景の切り取りかただ。
「愛し合う彼らにとって、人生の最上な瞬間を写すことを考えたら、スナップ写真を撮るような軽い感じにはしたくなかった。35mmフィルムのような3:2の比率だとどうしても軽くなってしまう。そこで、重みを出すには西洋絵画のフォーマットだと思い、中世の貴族が画家に肖像画を描かせていた頃の西洋絵画を見て平均的な比率を割り出して合わせたんです。欧米の写真の文脈に入ろうという意識はなかったけれど、海外のギャラリーに展示された際に映える写真にするにはどう撮ればいいかということは考えました。写真を撮る者としてはよこしまな考え方かもしれないけど」