哲学者・黒崎政男×グラドル・今野杏南で語り尽くすSF映画『モーガン プロトタイプ L-9』

人工知能に感情移入するとハンパなく恐ろしい事態が起こる! 哲学界の重鎮が「AIの未来」を本気で警告(今野杏南・対談)

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■人工知能に心があると認めたら何が起こるか?

今野  ただ、本作のモーガンは、人工DNAによって作り出された有機生命体という設定で、研究員たちもモーガンに心を持たせることを目的にしていたから、人工生命体といっても魂や自己意識があるという設定でしたね。

黒崎  そうだよね。モーガンが「天国はどんなところ?」と研究員に訊ねるシーンがあったけど、天国とは肉体が滅んだときに魂が行く場所。だから、モーガンに天国のことを語らせることで、その中に魂が宿っていることを示唆しているようだったね。

Morgan_13.jpg黒崎政男 教授(写真=河西遼)

今野  それに映画を見ていると、人工生命体であるモーガンの境遇に感情移入してしまうというか……。

黒崎  こちらの感情移入を許すんだよね。モーガンのことをitだと割り切って鑑賞することもできるはずなのに。

今野  私たちがモーガンに共感してしまうように、もしもAIにも魂や自己意識、心があると時代が認めるようになったら何が起こりますか?

黒崎  あり得る話だけど、現実にそうなったとしたら、AIの価値が上がるのではなくて人間の価値が下がることにつながるよね。心を持つ存在を人間が作れるとなれば、私たち人間の心も作られたモノと同じ。AIを壊すことと人間を壊すことも同じになって、人間の存在が“なんてことはない”と判断されるようになる。


■AIを考えることは人間を考えること

Morgan_14.jpg今野杏南(写真=河西遼)

今野  では、モーガンのように心を持っている人工生命体と、心を持たずに人間の指示だけを完璧に実行してくれる人工生命体がいるとして、一方と一緒に暮らさなければいけないとしたら、先生はどちらを選びますか?

黒崎  モーガンと暮らしたら襲われてしまいそうで恐いなあ(笑)。

今野  私も感情を持たずに何でも言うことを聞いてくれる人工生命体のほうがいい(笑)。

黒崎  でもさ、そんなAIがどんどん発展すると、人はますます魂と魂のぶつかり合いというかな、人間と人間の接触を避けて生きるようになっていくだろうね。すでに今でもその傾向は見られる。ハラスメントとなることを恐れて、人間は一個一個の存在となり、それがビッグデータとネットワークで支配される。人間関係が根本的な部分で変容するでしょうね。

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