宇宙エナジーの取り込み方も指南! 悪名高き最恐魔道書『ピカトリクス』に書かれた驚異の黒魔術法とは?
古代においては極めてポピュラーであった黒魔術――。重要な歴史的イベントや偉大な教え、医療的分野や科学的指南と同様に、黒魔術の知識は実用書として本に記録され、翻訳され、時代を超えて人々に共有されていった。
■最大級の情報量を誇る魔道書の決定版『ピカトリクス』とは
黒魔術が単独で語られるようになったのは中世以降で、ヨーロッパで流布した魔術の手引書・指南書である「グリモワール(魔道書)」にまとめられて広く知られていく。降霊術や呪文、護符、儀式魔術など神秘主義を組んだ流れは現代でも一部の人々を魅了している。
その数あるグリモワールの中でも全400ページにものぼる最大級の情報量を誇る魔道書が『ピカトリクス(Picatrix)』である。
『ピカトリクス』は11世紀頃(12世紀という説も)のイベリア半島で『賢者の極み』と題してアラビア語で書かれ、13世紀にカスティーリャ王アルフォンソ10世の命により、スペイン語に翻訳されてルネサンス期の魔道書のスタンダードのひとつとなった。四部構成に分けられており、著者は現在でも明確にはわかっていないという。
全体的には護符魔術の手引書とみなされているのが有力だが、一方でアラビア語で記された最も完全な天界魔術の解説だと位置付ける研究者もいる。
当時、占星術は魔術や錬金術といった神秘思想と密接な関係にあったが、『ピカトリクス』が特徴的なのは、宇宙エネルギーを摂取しようとしている点である。
■調合薬の原材料には人間の糞便や精液なども
書物の中には惑星を象徴する魔法陣や魔術記号が多数描かれており、嘆願者にとって吉となる時、所、姿勢、所作等の指示を得るために、星への願いに択ぶべき言葉が示されている。心身の健康や幸福な人間関係、あるいはビジネスの繁栄を実現させるために秘密の儀式や作法に従って惑星の神々に祈願し、力を借りようとしてきたのである。ちなみに、魔術のモラルの面から、術を行うのは高い教養を持つ魔術師に限られたようだ。
『ピカトリクス』は当時かなりの人気を博したが、アラビア語=スペイン語=ラテン語=フランス語(ルネサンス期)へと翻訳を繰り返してきたせいか、実は原本のアラビア語版とはかなり違いも見られるらしい。なお記載されている多くの調合薬は、例えば「死を超越する力を得られる鏡」の作成方法など、不可能を可能にする壮大なものだが、中には動物の血液や人間の排便、精液をハシシや阿片と混ぜ合わせるものがあったりするなど、原材料の猥雑さで悪名高いという。
我々が今実際に試してみようとしたら、かなり勇気のいる作業になりそうである。
参考:「Disclose.tv」、ほか
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