
カセ鳥 〈山形県/上山〉 YÔKAÏNOSHIMA series, 2013-2015 ©Charles Fréger/『YOKAI NO SHIMA 日本の祝祭 ― 万物に宿る神々の仮装』青幻舎
■コミュニティと結びついた超自然的キャラクターへの興味
とはいえ、農村部のコミュニティに残る文化に対する強い関心は、フレジェ自身のルーツに結びついている。フランス農村部の出身であり、ファインアートの世界に入るまでは農業高校で学んでいたこともあって、自然と共に働く人々と近代化の流れの中で生き残った宗教や信仰に、生まれながらに興味を持ってきたのだという。
「個人とコミュニティとの接続に主に興味を持ってきたけれど、今私が見せたいのは、心象的なアイデンティティ。どのように人はコミュニティのアイデンティティに深く結びついた、象徴的な、あるいは超自然的なキャラクターを作ったのかである」