牝獅子 〈新潟県/佐渡島/小木〉 YÔKAÏNOSHIMA series, 2013-2015 ©Charles Fréger『YOKAI NO SHIMA 日本の祝祭 ― 万物に宿る神々の仮装』青幻舎
■写真家の視点で切り取られたユニークな神々
取材する祭りのチョイスは、登場するキャラクターの見た目で感覚的・直感的に選んだのだという。留意したのはキャラクターのシルエット。被写体の輪郭、形状を、それらが育まれたバックグラウンドと接続するように、かつフレジェ自身が面白いと思える場所に配置して撮影した。全てをコントロールされた舞台のように設定し、ライティングしたということだ。その効果もあってか、どのキャラクターも、まるでオートクチュールの服をまとったファッションモデルのように写されているのが面白い。
「自分は客観的なフォトグラフィーをやっているわけじゃない。ドキュメンタリー的な見え方もあるけれど、そこは自分にとって主要なアプローチではない」
「私にとってのメインポイントは、シルエットを含む自分の中のイメージを切り取ること。本当に興味があり魅力を感じるのはシルエットで、撮影の際は注意深くセレクトする。私は科学研究にかなったプランを持った民俗学者ではない。自分が結びついていると感じるものを撮る」