
カレトス 〈ポルトガル/ラメーゴ/ラザヒン〉 WILDER MANN series, 2010-2011 ©Charles Fréger『WILDER MANN (ワイルドマン)』青幻舎

バブゲリ 〈ブルガリア/ブラゴエヴグラト州/バンスコ〉 WILDER MANN series, 2010-2011 ©Charles Fréger『WILDER MANN (ワイルドマン)』青幻舎
■ヨーロッパの人々にとっての獣神
フレジェによれば、ヨーロッパの人々にとっての獣神は動物への変身願望を表しており、人が動物になることに重きが置かれているのだという。一方、日本の場合は神的なキャラクターになりきることではなくそれらしく振る舞うこと、ギャラクターを演じることに軸を置いている。人間と自然の中間領域を、神的なキャラクターの仮面仮装を身にまとうことで行き来するという曖昧な位置関係は、日本人が多様な自然環境に生き続けるなかで感じ取り育んできた、目に見えない存在との繋がりの豊さに影響を与えているのかもしれない。