街で見かける謎のトラック「不用品回収業者」はなぜ潰れないのか? 誰も知らない稼ぎのカラクリと現状とは?

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 一時期は非常に多かった不用品回収業者ですが、最近はめっきり見なくなりました。その理由もまた、金属を由来としたものです。

 彼らの活動のピークは約10年前、北京オリンピックが開かれる直前です。その頃は中国へ輸出するリサイクル鉄の需要が高く、クズ鉄にはキロ60円という高値が付いていました。例えば1日で500キロの鉄を回収できたとします。1人でやっていれば、その日の上がりは500*60で3万円です。元手は身体とトラック1台、かかる経費はガソリン代。割が良いかとうかはともかく、簡単にはじめられて身体を壊すリスクも少ない、元解体屋にうってつけの仕事とは言えるでしょう。

 特に良いカモとなっていた、というのは田舎の老人で、使わなくなった耕運機などの大型機械を無料で回収して感謝され、鉄クズの取れない不用品であれば難癖を付けて手数料を徴収、という話はよく聞いたもの、とのことでした。

 よくよく思い出してみれば、鉄板やマンホール、電線、銅線が大量に盗まれたなどの、金属の盗難事件が多発しニュースになっていたのもその頃でした。「金属の盗難」で検索すると、2007年前後のニュースのアーカイブが数多く見受けられます。

 窃盗事件が多発するほどの鉄バブルは、北京オリンピック開催と同時にはじけ、今や鉄はキロ15円という価格でしか買い取って貰えません。不用品回収業者が減った理由は簡単、稼ぎが減ったからという理由です。

■遺品整理にゴミ屋敷掃除……「何でも屋」は新たなシノギ?

街で見かける謎のトラック「不用品回収業者」はなぜ潰れないのか? 誰も知らない稼ぎのカラクリと現状とは?の画像5解体現場から出てきた日本刀

 現在、解体屋上がりの不用品回収業者たちはそれに見切りを付け、新たな方法での稼ぎを試みているようです。

 先日の「解体業者に聞いた! 教育勅語の石版、札束に弾丸…「現場で出現したヤバイ品々7つ」内でご紹介した通り、壊す前の家の中には価値のある、売れるものがたくさんあります。不用品回収で稼げなくなった彼らは、それらデモノのゴミ拾いに特化した、粗大ごみ回収や遺品整理、ゴミ屋敷掃除などを引き受ける「何でも屋」を新たなシノギとしているそうです。

 つまり、手間賃を取ってゴミを運び出す仕事を引き受け、アジトまで運んだゴミを骨董屋に見せて価値のある物を見繕い買い取らせ、クズ鉄などは売りに出し、家探しができる現場からうっかり現金が出てくれば儲け物、ということです。

 需要のあるところに目を付けて、やれることで新たな商売を生み出す。ある意味で非常にたくましい彼らは、次は一体何に目を付けるのでしょうか。

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文=たけしな竜美

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