名越啓介写真集『Familia 保見団地』(世界文化社)より
名越啓介氏/撮影・ケロッピー前田
――いろいろな見方ができますからね。
名越「今回の写真集については、こう見て欲しいという答えみたいなものは全くなくて、それぞれの人の中に答えはあると思っています。それでも日本もオリンピック後がポイントになっていくだろうなって。難民の受け入れとか、外国人との価値観の違いとか、そんな未来の問題を写真集を見て、感じてもらえたらいいと思います」
――ここで改めて、もともとの写真との出会いのあたりから教えてもらえませんか?
名越「大阪芸大にいたけど、写真学科ではなかったし、最初に写真を始めたのは、世界一周旅行に行こうと思っていたら、新聞社に勤めていた知り合いに『海外に行くならカメラを持って行け』と言われたのがきっかけ(笑)。その旅で、自分と同じくらいの歳のスクワッターとの出会いがあり、その頃は自分が感じたものがそのまま写真に映るのが面白くてのめり込んでいきました。