名越啓介写真集『Familia 保見団地』(世界文化社)より
――写真集編纂に向けて、写真を選ぶときの苦労は?
名越「最終的にはアートディレクターに任せていましたけど、真剣勝負で撮った4万枚以上の写真があったから、どう選ぶかは難しかったですね。とにかく、僕、アートディレクター、編集者の3人ですべての写真をみて、季節で分けるとか、感情で分けるとか、写真のみた印象を重視して、大きく4つに分けていきました。なんでもない日常って、人によって全然見え方が違うから、写真集という物体になってみるとさらに全然違う印象で見えてくるんですよ。何度か見返したり、写真の順番や大小を入れ替えたら、また全然別のものになるんじゃないかって、頭の中で様々なシミュレーションを繰り返してしまいますね」