死から2カ月後、にんまり微笑んだタイ僧侶のミイラ! 完璧な涅槃の証拠、躰から虹を発することも
瞑想状態のまま絶命し、ミイラ化した仏教僧は「即身仏」として世界中の仏教圏で崇拝されている。この度、東南アジアの仏教国タイで即身仏になった僧侶が死後に“微笑んだ”という、にわかに信じがたいニュースが飛び込んできた。
■仏教僧が即身仏化、死後の笑みも
英紙「Daily Mail」(22日付)によると、タイ・ロッブリー県で長年にわたり出家生活を送っていたタイの高僧Luang Phor Pian氏が92歳で入寂(にゅうじゃく)。16年前から体調を崩しており、入退院を繰り返していたのだ。
死後、Pian氏の遺体はロッブリー県の仏教寺院に安置されていたが、今週、衣服を取り替えるために2カ月ぶりに棺から遺体を取り出したところ、驚くべきことが判明した。なんと、Pian氏の遺体は防腐処理を一切していなかったにもかかわらず、完璧な状態で保存されており、顔にはそれまでなかった笑みが浮かんでいたというのだ。一説によれば、これはPian氏が悟りの境地であるニルヴァーナ(涅槃)に至った証とのことだ。
仏教には死とともに完全な涅槃を迎えるという考え方があり、涅槃を2種類に分けることがある。1つは「有余涅槃」といい、これは精神的な涅槃を指すが、肉体の生理的欲求は保持した状態のことをいう。もう1つは、「無余涅槃」といい、肉体の生理的欲求さえも離れた完全な涅槃のことをいう。おそらく、Pian氏は死によって最高の境地である無余涅槃に至ったのだろう。それが、死後の笑顔の意味ではないだろうか。
■世界各地で報告される「腐敗しない仏教僧」
高徳の仏教僧の遺体が不思議な力により腐敗を免れることはしばしば報告されている。これまでトカナで紹介してきた世界各国の即身仏らもそうだが、古くは真言宗の開祖である空海も入寂後に肉体を保持し、髪まで伸びていたという記録がある。
ミイラ化の他にも、チベット仏教の最奥義といわれるゾクチェンを体現した仏教僧は、しばしば体が虹化する“虹の身体”を成就することがあるといわれ、虹の身体を成就した僧侶は、体から虹のような光を発しながら体が縮み、爪や髪の毛の一部だけを残して虚空に消えてしまうそうだ。ゾクチェンマスターとして知られるシャルザ・タシ・ギャルテン師(1859~1933)も、虹の身体を実際に目の当たりにした経験を著書『Heart Drops of Dharmakaya』に記している。
こういった仏教の奇跡譚を考慮すれば、Pian氏が死後に微笑むぐらいのことも、ある意味、“普通”かもしれない。Pian氏の遺体は死後100日後に埋葬されるとのことだが、今後もPian氏を篤く信仰する人は絶たないだろう。
参考:「Daily Mail」、ほか
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