平昌五輪友好ムードに騙されるな! 北朝鮮の軍事パレードで明らかになった“激ヤバの脅威”
●2、新型の短距離ミサイルの登場
パレードで注目すべきもうひとつの点、そして各国の軍事関係者が注目している点は、新型の短距離ミサイルの登場である。このミサイルは、ロシアの短距離ミサイルである「イスカンデル」に酷似した形状を持ち、固体燃料を採用していると推測されている。射程距離は500kmを越えると見られる。このミサイルが脅威となる点は2つ挙げられる。
まず、即応性に極めて優れ、発射兆候の探知が困難な点だ。スカッドをはじめとする従来の北朝鮮の短距離ミサイルは液体燃料式であり、発射前に燃料を注入する時間を必要とする。しかし、固体燃料を採用した新型短距離ミサイルにその時間は不要である。すなわち、平時には人工衛星に探知されないトンネル状の基地に収容しておき、有事にはそこから即座に発射地点に移動、発射後即座に退避することが可能なのである。韓国軍は現在、ミサイルを発射前に撃破する「キルチェーン」の構築を目指しているが、新型ミサイルの採用でそれが困難となる可能性があるのだ。
次に、迎撃が困難である点だ。新型ミサイルは通常より低い高度を飛翔する「ディプレスト軌道」での発射が可能と見られている。この軌道での発射は攻撃地点への到達時間が通常より早く、かつレーダーでの補足が困難という特徴を持つ。すなわち、現在韓国に配備されているTHAAD等の弾道ミサイル防衛システムをかいくぐる事が可能なのだ。
元となったロシアの短距離ミサイル「イスカンデル」が核弾頭搭載可能である点から、北朝鮮は将来的には新型短距離ミサイルにも核弾頭を搭載する事を目指すであろう。探知・迎撃が困難なこのミサイルに核が搭載されれば、韓国軍・在韓米軍基地、そしてソウルをはじめとする大都市が核の脅威に晒される事を意味するのである。
北朝鮮は軍事パレードを通じ、日韓をはじめ各国の軍事関係者にはわかる形で、それを突きつけたのだ。ピョンチャン五輪の「友好ムード」に決して騙されてはならない。五輪開催期間は、北朝鮮にとり東アジア情勢を緊迫させずに核戦力構築を進められる、言わば「ボーナスステージ」に他ならないのだから。
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2024.10.02 20:00心霊平昌五輪友好ムードに騙されるな! 北朝鮮の軍事パレードで明らかになった“激ヤバの脅威”のページです。北朝鮮、平昌五輪、塩原逸郎などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで