カナダ政府が「UFOの絵」が描かれた20ドル硬貨を発表! 同国で最も有名な「ファルコン湖UFO事件」がモチーフ!

 事件が公にされると、ステファンさんは一躍時の人となった。マスコミに追い回されてすっかり生活が変わってしまった上、自分や家族が嘘つきよばわりされるなど、ステファンさんは事件について話したことを後悔していた。しかし、目撃証言を取り消すことはなく、その一方で宇宙人を見たとも言わなかった。彼は相変わらず、軍の秘密兵器を見たのだと考えていたのだ。

 あまりにも突拍子もない証言内容から、ステファンさんの正気も疑われたが、彼は祖国ポーランドでは憲兵をしており、モラルも高く、何かが起きた時の報告の仕方もよく知っていた。事件の1年後、火傷の再発と失神に悩まされたステファンさんは病院で精神科医の診察も受けているが、医師は彼を現実的で非常に地に足のついた性格であり、作り話ができるようなタイプではないとレポートしている。

 また、現場には4.5メートルほどの円形の痕跡も残っており、なぜかその部分だけ草やコケが生えていなかったという。現場の土壌のサンプルやステファンさんの着ていた衣服からは高い放射能が検出された。また、事件の1年後には岩の亀裂から溶けて固まったような金属片も見つかっている。

カナダ政府が「UFOの絵」が描かれた20ドル硬貨を発表! 同国で最も有名な「ファルコン湖UFO事件」がモチーフ!の画像4ステファンさんの焼けたシャツ。画像は「CBC News」より引用

 カナダの政府機関だけでなく、米空軍まで事件の徹底的な調査を行った。しかし、納得のいくような説明がなされることはなく、ファルコン湖事件はカナダ史上最も調査されたUFO事件として後世に名を残すことになった。

 ステファンさんは1999年に83歳で亡くなり、証拠の品々の多くも行方不明になってしまった。だが、ステファンさんの息子スタンさんは放射能を帯びた金属片を今でも所持しており、2017年にはファルコン湖事件を当事者の目線でまとめた本まで出版している。今なお、多くの人が事件の真相の解明に挑んでいるのだ。

カナダ政府が「UFOの絵」が描かれた20ドル硬貨を発表! 同国で最も有名な「ファルコン湖UFO事件」がモチーフ!の画像5放射能を帯びた金属片。画像は「CBC News」より引用

 とうとう記念硬貨にまでなったファルコン湖事件。真相はともかく、カナダで愛されている物語であることは確かだ。

参考:「CTV News」、「CBC」、「Royal Canadian Mint.」、ほか

TOCANA編集部

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