最凶のセックス・グル「教祖・ラジニーシ」のカルトぶりがヤバい! ロールスロイス93台所有、笑気ガス、生物兵器…まるでオウム!
■過激化するコミューンと米国追放
1981年、ラジニーシはオレゴンへ信者を引き連れて移転した。その原因となったのは、インド当局から移民詐欺、脱税、麻薬密輸容疑で捜査を受けたことであった。
彼らは人口わずか50人のオレゴン州ワスコ郡アンテロープの牧場を購入、そこには7千人の信者たちが続々と集結した。彼らは数の勢力によって、アンテロープ町議会議員の大半を選出できるようになり、町の名前もアンテロープから「ラジニーシ・プーラム」に変えた。
その上、信者たちはアメリカ全土からホームレスを集め、ラジニーシ・プーラムに住まわせ、街だけでなく郡全体も支配しようとし始めた。その策略が現地当局によって拒否されたところ、信者たちはホームレスたちをバスに戻し、周辺都市に置き去りにする非道を働いた。
また信者たちは、「平和武力」と言う名の下に、30口径の機関銃が付いたジープに乗り、街の付近で機関銃の演習も始めた。平和で静かだったこの地は5万人の住民が住む町として数多くの家、店舗、レストラン、新聞、消防署、ナイトクラブ、ショッピングモール、さらには空港までが建設された。それはオレゴン州全体を巻き込む論争にエスカレートし、地元の住民はラジニーシが危険なカルトであると確信し、政治家の支援を受け、開発に反対し訴訟を起こした。
ラジニーシの信者と当局の対決が進む中、ラジニーシは、多量の精神安定剤と笑気ガスに依存し始めた。そして薬物による妄想によって、世界的な大惨事が差し迫っていると信じていた。彼は信者たちと接することをやめ、自室から離れることはめったになくなり、その結果、彼の秘書のシーラが支配を強め出した。
■シーラの狂気
シーラは小柄で、無邪気な笑いを顔に浮かべた若いインド人女性だった。しかし実は彼女は、冷酷で誇大妄想的な人間であった。彼女はラジニーシを利用して、コミューンを支配するためなら何でもする人間だった。シーラは自分を邪魔する人間は、全て死ぬべきだと信じていた。
彼女の死刑リストには、彼女の邪魔をするラジニーシのかかりつけ医師とラジニーシのガールフレンド、コミューン反対運動をしている地元のジャーナリスト、役場の人間、そして弁護士ターナーも含まれていた。ターナーは外国人メンバーの偽装結婚に関して、移民詐欺でグループを告発する予定であった。
シーラは信者を使い、ターナーを狙撃しようとしたこともあったが失敗に終わった。またラジニーシは自分の「航空会社」さえ所有していたが、そこのパイロットは後に、当時シーラが飛行機を使って裁判所に爆弾を落としたと証言した。
またコミューンには生物兵器研究所が造られていた。そこで作られた生物兵器を混入したチョコレートの箱が「敵」には送られた。裁判官の一人はそれを食べた後、ほとんど重篤に陥ったという。またシーラとその一味は、街にあるレストランのサラダバーにサルモネラ菌をばらまき、750人の住民が病気になり、新生児を含む数人は死亡した。
■コミューン崩壊
1985年、ラジニーシはシーラを自身の代理人の地位から解任した。シーラと追従者は西ドイツに大量の財産と共に逃げたが結局、米国で逮捕された。彼女には懲役20年の刑が言い渡されたが、実際にはわずか29カ月で釈放されている。
検察は殺人、バイオテロ等はシーラの企みでラジニーシは関与していないとして、ラジニーシを移民詐欺行為でのみで告訴した。彼はジェット機で米国から逃げ出し、10カ国以上の国に着陸しようとしたが全て断られ、燃料不足のために米国に再着陸した。逮捕されたラジニーシは、米国を離れることを条件に執行猶予を言い渡された。彼はインドに戻り、自分自身をオショウ(和尚、Osho)に改名し、1990年に心不全により58歳で死亡した。
このストーリー、どこかで聞いたことがあると思われた方も多いだろう。これは10数年後に日本で起きたオウム真理教騒動にそっくりなのだ。代表だった麻原彰晃は、インドまでラジニーシに会いに行ったことがあるといわれるので、ラジニーシからヒントを得た部分も多いのかもしれない。
皮肉なことに、かつてフリーセックスで満ちていたコミューンは現在、「ワシントン・ファミリー・ランチ」という名前で、アメリカ人の若者に性的禁欲の美徳を教えるキリスト教系団体のキャンプ場となっている。
(文=三橋ココ)
参考:「Daily Mail」ほか
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