高樹沙耶と石丸元章が「週刊新潮にコメントを出す」問題を語る! 「脳内マリファナ」についても徹底解説!

■“脳内マリファナを作る”ってどういうこと!?

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高樹 脳内マリファナとは、ドーパミンとかエンドルフィンと同様のもので脳内に分泌されているものなんです。人体にはそうした機能が備わっていて、90年代にお医者さんがちゃんと立証しているんですよ。

石丸 ほう。脳内でマリファナ成分状の分必物が作られていると。

高樹 そうなんです。「エンド・カンナビノイド・システム」と呼ばれるもので、人体が持つ身体調節機能のひとつなんですね。健康なときは、そのシステムがきちんと働いていて、人間の免疫機能を高めたりする。ところが、ストレスや老化で「カンナビノイド欠乏症」になると、さまざまな疾患になることがわかってきているんです。

石丸 ふむふむ。

高樹 植物で「エンド・カンナビノイド・システム」に代わる物質を保有しているのは、大麻しかない。それでカナダでは、カンナビノイド医薬品として2005年に多発性硬化症の痛み改善薬として承認されています。

石丸 おおすごい!

高樹 現在では、てんかん、ガン疼痛、神経膠腫、2型糖尿病、潰瘍性大腸炎、統合失調症などの疾患への臨床試験が行われていまして――。

石丸 すごい好奇心をそそる面白い話じゃないですか!

高樹 でしょう! そういう話を長々と30分くらい電話口で説明したんですが、ああいうかたちのコメントとして使われてしまったという(笑)

石丸 ははは。気をつけましょう! 

高樹 メディアは、私を奇人変人にしたいんですよ。日本は、医療用大麻を認めさせたくない利権を持つ人達(=医療用大麻を阻止しようとしている、製薬会社業界の既得権者たち)とメディアが“つるんで”いると私は思うんですけどね。

石丸 なるほど。そうかもしれませんね。でも、高樹さん自身も、古い言葉でいうと“不思議ちゃん”というか“ぷっつん”というか、とても良い意味での可愛らしい奇人変人みたいな部分はありますよ。わたくしそれ、感じます。第一、今回の『週刊新潮』の高樹さんのコメントも抜群に面白いですよ!《(大麻は)漢方薬のように用法用量を守って使用する教育が必要です》なんてコメントは、高樹さん以外の誰にも言えません!

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高樹 ははは。おおっぴらに大麻について語っている私は、いいターゲットなのかなあ。

石丸 いやいや、逆! 自分が言いたいのは、あの記事を見て、高樹さんは怒ったり、不愉快な思いをすることはないということなんですよ。だって、あの記事はおもしろいんですから。わたくしには言えない。わたくしもこれまで何度か、“カリフォルニアの山火事で大麻畑が焼けた”時とか、『週刊新潮』にコメントしてるんですが、高樹さんの方がはるかに面白いコメントするから、もうわたくしのところには電話がかかってこないじゃないですか(笑)! くそー、今回も1万円取り損ねた! 

高樹 ははは。

石丸 雑誌のコメントっていうのは、『笑点』の大喜利みたいなものなんだから、読んだ人を、「なんだこのコメント! はっはは」と笑わせたら座布団一枚なんですよ。今、大麻についてのコメントさせたら、日本で1番面白いのは、間違いなく高樹さんですからね。自分が『クッキングハイ』についてのコメントを頼まれても、あんなに面白いことは言えません(笑)。正直、悔しいですよ。高樹さんは胸張っていいと思います。

高樹 ははは。意図しないでも、だんだんそういう方向になってきていますよね。こういうことを言ったら世間の反応はどうなるとか、女優の時と違って今は考える必要がありませんからね。だいいち、もう干されていますからね(笑)。

石丸 うーん、たしかに今は芸能界やテレビからは、完全に干されて、からっからの乾き物ですよ。でも、そこが高樹さんの強みです。乾いているのに活き活きと生きている。

高樹 実は、1番面倒くさいのは、“オレは大麻に詳しい”というタイプの人たちなんですよね。そういう人達は、「高樹沙耶のあの雑誌コメント、あれは本心で言ったのか?」とかネット内で攻撃してくる。

石丸 Twitterでも、「利用されたのか。本気で言ったのか。まだまだ見識が不足してるのか?」とか、そんな反応もありましたよ。

高樹 面倒くさいけれど、そういう反応には、説明を返したりしているんです。

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石丸 何事も、まじめが過ぎる人っていますからね。

高樹 その人がどういう風に大麻と付き合っているのか、みんなそれぞれ違うし、はっきりとは見えない面があるので、難しいですよ。逆に、大麻に関してよく理解してる人たちは、そうした論争に参戦してこなかったりもするし……。

石丸 真面目に語ってもいいし、ジョークを飛ばしてもいいし、議論してもいいし、黙っててもいいし、自由でいいですよね。自分はいつも、不謹慎だと怒られてます。ああ、なんか今日は、脳内大麻がたくさん出ているような……。

高樹 きっと出てますよ。ほんとは今日は、こないだ体験したばっかりのヨーガの修業とか、石垣島の皆既月食の話をしたかったのに、またま
た大麻の話になってしまいました。

石丸 うーん。次回またいろんな話を~!

――というわけで、『週刊新潮』7月19日号に掲載され、一部日本全国の読者のみなさまへ衝撃をあたえた、高樹沙耶さんのコメントの真相は、こんな感じだったのだ。『週刊新潮』の記者の人をゲストにお呼びしたいとも思ったが、そうもいかんだろう。まあ、みんなで楽しくやりましょう。それでは今週の一句……「夕暮れやかならず麻の一嵐」(正岡子規)。また次回~!

※これまでの連載はコチラ

◎石丸元章(いしまる・げんしょう)
1965年8月9日、千葉県生まれ。作家、ライター。高校在学中にライターデビュー、人面犬ブームの仕掛け人。著書に『スピード』『アフター・スピード 留置場→拘置所→裁判所』『平壌ハイ』『神風』(すべて、文春文庫)など多数。近作に『霊園にて- bpm198』(東京キララ社「ヴァイナル文學選書 第一弾」)
・@chemical999

◎高樹沙耶(たかぎ・さや)
1963年8月21日、静岡県生まれ。元女優、元作詞家、石垣島のキャンピングロッジ 「虹の豆」オーナー。1983年に主演映画『沙耶のいる透視図』で女優デビュー、映画&ドラマシリーズ『相棒』ほか、数多くの作品に出演、人気を呼ぶ。著書に『贅沢な暮らし—衣食住が育む「心のラグジュアリー」』(エクスナレッジ)、『ホーリープラント 聖なる暮らし』(明窓出版)ほか
https://www.facebook.com/nijinomame/

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