現実を生み出す「マトリョーシカ脳」とは? 宇宙人による建造物「ダイソン球」がヒント、この世の原理が判明!

現実を生み出す「マトリョーシカ脳」とは? 宇宙人による建造物「ダイソン球」がヒント、この世の原理が判明!の画像1画像は「Big Think」より引用

 この世は現実か偽物か――。この深遠な謎をめぐって古来から宗教や哲学、芸術などで数多く解明の試みが行われてきた。そして現在、この謎は「シミュレーション仮説」として科学者たちが挑む謎のひとつにもなっているが、そんな仮想現実空間に我々はすでに住んでいるのかもしれない。その可能性を拓くのが、トカナでもお馴染みの「ダイソン球」である。

 ダイソン球とは高名な宇宙物理学者フリーマン・ダイソン氏が提唱した構造物で、恒星の周囲を卵の殻のように覆ってしまい、その星が発するエネルギーを効率的に利用できるようにしたものである。もちろん現在の人類の科学水準で実現できる代物ではないが、地球から1480光年離れた「KIC 8462852」はダイソン球ではないかと以前より疑われている

 エネルギーを大量消費する先進的な文明ならば、いずれダイソン球のアイデアにいきつくだろう。とはいえ、恒星のエネルギーを全て吸収してしまっては、周囲の惑星に住まう生き物は絶滅してしまう。

 知的情報サイト「Big Think」(10月28日付)によると、これを解決するのが、マトリョーシカ脳である。これは、ダイソン球の周囲を別のダイソン球が覆う、マトリョーシカのような構造をした超巨大コンピュータのことだ。あるダイソン球が恒星のエネルギーを十分に吸収した後、余剰分を外側のより大きなダイソン球に次々と送ることで、エネルギーロスを最小限におさえることが可能となる。

 マトリョーシカ脳を作れるまでに発展した文明ならば、すでに意識をコンピュータ上にアップロードすることも可能なはずである。恒星から無尽蔵のエネルギーを供給されながら、メガコンピュータ内では現実と寸分違わない仮想現実空間が再現されているという寸法だ……もしかしたら、我々もすでにマトリョーシカ脳の中に住んでいるのかもしれない。

 マトリョーシカ脳の発案者であるコンピュータ科学者のロバート・ブラッドベリー氏によると、もし我々がまだ現実の世界にいるとすれば、2250年までにマトリョーシカ脳を作ることができるようになるという。

 だが、我々がすでにマトリョーシカ脳の中にいるにもかかわらず、マトリョーシカ脳を作るとすれば、仮想現実空間の中に仮想現実空間を作ることになる……マトリョーシカ空間とでも言うべきだろうか。まるで映画『インセプション』のような世界だが、現実というのはタマネギのようにとらえどころのないものなのかもしれない。
(編集部)

参考:「Big Think」、ほか

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