宗教系の学校に通うと“嫌なヤツ”に育つことが判明! 分け与えず、共感せず、他者に過剰に厳しく… イメージと真逆の実態

 子どもを宗教系の私立学校に通わせるかどうかは親それぞれの判断になるが、信仰にあつい親たちにとって気がかりな研究発表がなされている。宗教の教えのもとで育てられた子どもは皮肉にも利他性が低く他者に厳しくなるというのだ。

■宗教教育で育てられた子どもは気前が悪い?

 宗教教育で育てられた子どもには、高い道徳心があり、他者に優しく慈悲深い心の持ち主であるという一般的なイメージは根強い。だが最近の科学研究は、こうした印象に真っ向から異議を唱えるものになった。信仰にあつい環境で育った子どもは、そうではない子どもよりも他者に対して気前が悪く、他者がしでかした不適切な言動にはより厳しいジャッジを下す傾向があるというのである。宗教的教育について、世のイメージとはまったく正反対の実態が示されることになったのだ。

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「Disclose.tv」の記事より

 米・シカゴ大学の社会神経科学者であるジーン・ディセティ教授が率いる研究チームが2015年11月に「Current Biology」で発表した研究では、宗教に関わることなく育てられた人々は、平均してより親切で他人に対してより共感できることを報告している。

 5~12歳の子ども1170人が参加した実験では、利他性の度合いと道徳的な感受性を計測する課題によって子たちの行動と反応を分析した。

 この実験は実に興味深い結果となった。宗教的な家庭で育った子どもたちは、無神論的または宗教的ではない家庭で育った子どもたちよりも他者と富を共有する可能性が低いことが判明したのだ。

 課題の1つでは、子どもたちはそれぞれランダムに選ばれた10枚のステッカーを与えられ、その時点で仕切りの後ろにいる別の子どもとシェアすることを求められた。仕切りの後ろにいた子どもは最初に何枚のステッカーが配られたのかはわからないため、配分についてそれが公平がどうかは知りようがない。

 この課題において、宗教的影響の色濃い家族の子どもたちは、非宗教的家族の子どもたちよりも相手に与えるステッカーの枚数が少なくなる傾向が突き止められた。またこの特性はどの年齢の子どもたちにおいても当てはまることが判明したのだ。

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「Scientific American」の記事より

「これらの研究結果は、宗教が向社会的行動を促進するという広く信じられているイメージに反していて、無宗教という世俗化は人格の優しさに悪影響を及ぼさないことを示唆しています。それどころか、それは逆だったのです」とディセティ教授は語る。モラルを高めると広く信じられている宗教的教育のイメージを揺るがす研究結果になったと言えることは間違いない。

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