宗教系の学校に通うと“嫌なヤツ”に育つことが判明! 分け与えず、共感せず、他者に過剰に厳しく… イメージと真逆の実態
■信心深い親は我が子のモラルを過大評価
宗教的な家庭での生活の経験が長い子どもたちは、富をシェアする可能性が低いことがわかり、宗教と利他主義の間にはネガティブな関係が突き止められたのだが、さらに興味深いのは、宗教的な家の子どもたちは他者の反社会的行動に対してより厳しい罰則を求めることもまた判明した。つまり信心深い家族で育った子どもは気前が悪く他者に厳しいということになる。
敬虔な信者である両親は、子育てにおいて厳格なルールや教義を設けるため、子どもたちは“罰”についてより真剣に受け止めるようになるという。これが災いして、他者の反社会的行為に対して、過剰に厳しい目を向けるようになるのかもしれない。
これは成人を対象にした過去の研究でも、宗教的人物は反社会的行動に対して厳しく懲らしめる態度に打って出ることが報告されていることから、この結果に関してそれほど驚くべきことではないということだ。
親たちはどう感じているのか? 残念ながら敬虔な信者である親たちには“バイアス”があるようだ。信心深い親たちは自分の子どもを非宗教的な家族の子どもたちよりも利他的で他者に対する共感能力が高いと“勝手に”過大評価しているのである。日々我が子が宗教的行為を実践していることが、両親にそのバイアスを植えつけるのだ。
信心深い親たちは子育てを宗教の教えに“丸投げ”していて、子どもたちの発育の過程に実のところはあまり関与していないことが示唆されてくるのかもしれない。
今回のこの研究結果は、子どもの発達、宗教、利他主義のすべての側面を網羅しているわけではないものの、厳格で敬虔な信仰を伴う家庭での子育てについて、正当な問題を提起するものになる。
宗教の教えによって“罪と罰”に意識的になる一方で、ややもすれば“特権意識”を抱きやすくなる可能性もありそうだ。そして“特権意識”を持ってしまえば他者への共感や同情が薄れてしまうというのは、ある意味当然かもしれない。宗教的な教育における思わぬ“落し穴”が示されることになったと言えるだろう。
参考:「Disclose.tv」、「Scientific American」、「Inspire to change」、ほか
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