ローマ教皇が「10年前の死者の蘇り」を”奇跡”として公式認定! ”テレビ伝道師”と呼ばれたシーン大司教が起こした奇跡とは?
■テレビやラジオでの“オンエア伝道師”としても活躍
今回承認されたこの“奇跡”だけでなく、シーン大司教がカトリック教会に果たした大きな貢献は実はまったく別のところにもあった。1930年代以降のマスメディア時代にラジオやテレビを駆使した“オンエア伝道師(on-air evangelist)”として活動し、カトリック界では先駆けとなるメディア対応型の聖職者であった一面も持ち合わせていたのである。
シーン大司教は1930年からはNBCラジオで毎週日曜日に「The Catholic Hour」という番組を持ち、さらに1950年からはNBCテレビで「Life is Worth Living」というテレビ番組を担当して3000万人以上の視聴者に向けて毎週、宗教的説教を行っていた。
ピオリア教区のダニエル・ジェンキー司教は、自分たちの申し出にバチカンが即座に対応して“奇跡”の検証を行ったことに感謝の意を示すとともに、教皇フランシスコがすぐにでも列福の日のスケジュールを設定してくれることを希望している。
「神がどのように奇跡を起こし続けているか、本当に驚くべきことです」(ジェンキー司教)
教会はあくまでも神だけが“奇跡”を起こすのだと定義しているが、天国で神と一緒に住むと信じられている“聖人”もまた、彼らに祈る人々のために“奇跡”を起こすと教えている。聖人の“奇跡”はたいていの場合、医学的には説明不可能なヒーリングや治療である。
“奇跡”の承認はカトリック信仰において聖職者の功績を称えるものになるが、聖人になるためにはもう1つの“奇跡”が承認されなければならない。それでも死後数百年後もたってから“奇跡”が認められるケースも少なくないことを考慮すれば、今回のシーン大司教の一件は近い将来の聖人認定の期待が膨らむものになるだろう。
参考:「Independent」、「ABC News」、ほか
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