8年半地下室に監禁された「永遠の10歳」ナターシャ
オーストリア少女監禁事件 ー 8年間半地下室に監禁された「永遠の10歳」ナターシャ・カンプッシュ
石川翠のワールド・ミステリー・探訪【ウィーンの少女神隠し事件(オーストリア少女監禁事件)】
さきほどトカナでは、8月23日は10歳で誘拐されていたオーストリアの少女、ナターシャ・カンプッシュが、その8年にもわたる誘拐監禁状態から逃げ出した日だと報じた。
果たしてその事件とはどのようなものだったのか、詳細を過去記事からお伝えする。
■裏庭の見知らぬ少女
2006年8月23日のこと─。所は、音楽の都ウィーンの北東近郊、シュトラースホフという街の一角…。80才の男性は、隣家の裏庭をさまよう挙動不審な人影を目にして、あっけにとられてしまった。
なにしろ、いままで一度も見かけたことのない少女なのだ。体はやせ細り、顔は青白かった。年齢は判断がつかない。彼女は泣き叫んだり、体を震わせたり、明らかにパニックを起こしていた。
わけのわからぬまま、男性は急いで警察に通報した。
■地下室に8年半

事情聴取の結果、彼女は1998年の通学途中に、突然、姿を消し、以来8年半に渡って行方不明とされていたナターシャ・カンプッシュ(Natascha Kampusch/1988年生まれ/発見当時18才)であることが判明した。
にわかには信じられない話だが、10才の彼女は、顔見知りの男に無理やりバンに押し込まれ、以来、その日までの3,069日間、男の家の地下室に延々と拘束されていたのだった。
保護された時、ナターシャは体重が42キロで、「神隠し」にあった当時の体重とほとんど変わらなかったという。事件の目撃情報を募るをビラをご覧いただきたい。ほっぺがぷくぷくした可愛らしい少女の顔がある。一方、地上に戻った彼女は、目のまわりの隈といい、落ち窪んだ頬といい、実に無残にやつれていたという。
■軌道に消えた誘拐犯

いたいけな少女を、自宅車庫の地下に幽閉した通信技師ヴォルフガング・プリクロピル(Wolfgang Priklopil/1962─2006年/享年44才)は、彼女が保護されてから数時間後、列車に飛び込み、自殺した。
実は、オーストリア連邦警察の主任捜査官は、少女が行方不明になってから3カ月後に、一度プリクロピルを尋問している。しかし、「確固たるアリバイ」があったため逮捕には至らなかったと、TVで釈明した。
この誘拐・幽閉事件が、身代金欲しさの犯行ではなく、男性の奥底に潜む魔性のしわざであることはもはや繰り返すまでもない。だが、容疑者の死とともに、事件の全貌を解明する手立ては永遠に失われたかに見えた。
■奇妙な声明

地下からの衝撃的な生還を果たした5日後、ナターシャは記者会見の代わりに、声明文を発表した。それは実際、驚くべき内容で、国内外に大きな反響を呼び起こした。
大方の予想に反して、なんと少女は、地下室の生活と容疑者プリクロピルを肯定的にとらえていたのだ。まず、閉じ込められた暮らしについて言えば「基本的に、誘拐されたことが元で、何かを失ったという気持ちは感じられない。むしろ、タバコとかアルコールをおぼえずにすみ、また不良ともつきあわずにすんだ」と述べている。
容疑者と自分の関係については、「あるとき『ご主人さま』と呼ぶように求められたものの、本気ではないと見抜いて、拒んだ。わたしは彼と同じくらいに気が強かった」、「ときどき、きわめて紳士的な態度をとると思えば、逆に、手ひどい接し方をすることも少なくなかった」と言う。
けれども、この声明にはプリクロピルに対する強い怒りや恐怖は見られず、それどころか反対に「彼は私の人生の一部だった」、「だから、私はある意味で彼の死を悼(いた)んでいる」など、むしろ、葛藤ともいえる複雑な情愛のもつれを示しており、社会の良識を大いにまごつかせた。
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