ノーベル化学賞に吉野彰氏! また京大出身の謎…「宇宙人肯定派」京大前総長がカギ! オカルト全開の歴代受賞者4人も!
キャリー・マリス
マリスは、遺伝子の断片を増殖複製する「ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法」の開発により、1993年にノーベル化学賞を受賞した。ところがマリスは、一時LSDを服用した状態で友人と互いに相手の考えを読むという実験にも取り組んでおり、このときはかなりの程度で的中したという。また、西洋占星術にも好意的な見解を示しているが、何よりも彼が独特なのは、自ら「エイリアン・アブダクション」のような体験をしたと公言してはばからないことだ。
■マリス博士の不思議な体験
「エイリアン・アブダクション」は、UFOに乗った宇宙人が地球人を拉致し、宇宙船内でさまざまな生理学的検査を行なうものと考えられている。体験した人々は、UFOと思しき発光体や謎の生物らしき存在を目撃した後の記憶がなく、気がつくと自分の部屋にいたり、車を運転していたりと、通常の行為に戻っているケースが一般的だが、マリスが述べる不思議な体験の一部始終とは次のようなものだ。
事件は米・カリフォルニア州メンドシノ郡ナバロ川沿いに彼が所有する土地で、1985年に発生した。ある夜、そこの山小屋にいたマリスが、15メートルほど下った場所にあるトイレに行こうとしたところ、モミの木の下に光るアライグマのようなものを見た。
そのアライグマのような存在が、「こんばんは、博士」と語りかけ、マリスも何か返答したのだが、その後の記憶が飛んでいるというのだ。次に彼が意識を取り戻したときは早朝で、森から小屋への道を辿っていた。この場所の夜は湿気が多いのに、服は乾いており、小屋の電気はつけっぱなしだったという。
この種のアブダクションの場合、後になって退行催眠を行うことで失われた時間の記憶を取り戻すという例が多くあるが、マリスは事件後に退行催眠を受けたことはないらしく、実際に何が起きたかは今も謎のままだ。
このような破天荒な言動や派手な女性関係も影響してか、マリスは「もっとも身持ちの悪いノーベル賞学者」とも呼ばれている。しかし、考えてみれば近代科学の基礎を据えたアイザック・ニュートンも、実は錬金術などの魔術に多大な関心を有していた。科学的な業績と超常現象への関心は、必ずしも相反するものではないということだろう。今回紹介したように、私たちに未知なる世界のエピソードを届けてくれるノーベル賞受賞者は、これからも現れるだろうか。
参考:キャリー・マリス『マリス博士の奇想天外な人生』(早川書房)
羽仁礼(はに・れい)
一般社団法人潜在科学研究所主任研究員、ASIOS創設会員
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