ホーミー(喉歌)の謎をMRIで分析、科学的に解明!研究者「人間ができることと思えない」

 喉歌は笛のような音を出したり一度にピッチの異なる2つの音が響き、倍音を奏でたりする独特な歌唱法であり、アルタイ山脈周辺の民族の伝統芸能(モンゴルのホーミーやトゥバ共和国のホーメイなど)が特に有名だ。その歌い手は喉を独特な方法で使っていることが知られているが、その詳細については謎が残っている。だが最近になって、カナダ・ヨーク大学の研究者らがホーメイ歌手をMRIなどで分析、その特殊な歌唱法の秘密を解き明かしたという。科学ニュース「Sci Tech Daily」(3月22日付)が報じた。

画像は「Sci Tech Daily」より引用

Fascinating Research Solves Mystery of Tuvan Throat Singing [Audio/Video] (Sci Tech Daily)

 鳥や蛙と異なり、人間の声帯は通常一度に一つの音しか出せない。だが喉歌の歌い手は、声帯が2つあるわけでもないのに、ピッチの異なる2つの音を同時に出すことができる。一体どのような仕組みでこのような驚異的な歌唱が行われているのか? ヨーク大学の音響物理学者クリストファー・ベルジュヴァン氏らは、ホーメイ歌手の歌を録音・分析、さらにMRIで歌唱中の様子を撮影してその秘密を探った。

 人間の声帯が出す音の高低はその振動で決まり、振動が速いほど高くなる。また声帯では倍音が生成され、喉や口、鼻でそれを調節し、特定の周波数のピーク(フォルマント)を生み出す。フォルマントは言語を使う上で重要な役割を担っており、人間は母音を最初の3つのフォルマント(F1、F2、F3)で認識していることが知られている。

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