ゾウを“精神崩壊”させる残酷調教「パジャーン」とは!? 全国282カ所の動物園・水族館を偵察した活動家インタビュー
2019年に再改正された動物愛護管理法。哺乳類・鳥類・爬虫類など特定動物(約650種)のアニマルウェルフェア(動物福祉)を念頭に、愛玩目的での飼養が禁止されるとともに、「触れ合いや娯楽目的での飼養についての規制も検討すること」との付帯決議もなされた。
しかし、依然として愛玩動物(犬、猫などのペット)以外の動物に対する環境改善は定められていないため、日本では動物園や水族館で動物達が不自然な狭い環境で飼育され、時には「動物ショー」のために苦痛を伴う“調教”が行われることもある。
筆者は日本の動物園や水族館におけるアニマルウェルフェアの問題、その最前線について調べるべく、動物解放団体リブの目黒峯人氏にインタビューを行った。
■ゾウの精神崩壊儀式「パジャーン」とは!?
――なぜ動物愛護団体ではなく、動物解放団体と名乗るのですか?
目黒峰人(以下、目黒) 動物愛護や動物福祉は、動物の利用が前提にある活動です。動物解放は動物を利用せず、自由と尊厳を保証して最終目標として彼らを解放することを目指しています。
――どんな活動をされているのですか?
目黒 全国282カ所の水族館・動物園を偵察しました。日本は世界一水族館が多く、世界で3番目に動物園が多い国なのですが、たいていの水族館・動物園で動物達は不自然な環境を強いられています。そして、ストレスから異常行動に及びます。人間の場合、拘禁精神病や拘禁反応と呼ばれ、刑務所や精神病棟等に監禁された際に現れる行動です。282カ所の動物園・水族館のうち、このような異常行動について明かされた施設はほとんどありませんでした。
――異常行動にはどのようなものがあるのですか?
目黒 同じ場所をぐるぐるまわったり、仲間を虐げたり。野生動物にもありますが、子殺しもあります。イルカの場合はプールの床に頭をぶつけるなどの自傷行為も。
――どのようなことがストレスの元になるのでしょうか?
目黒 まず、イルカの例で言えば、野生から捕獲して本来は食べない冷凍の魚を食べさせること。芸をしないと餌をあげないことなど。冷凍の魚はビタミンが足りずに心身のバランスを崩すこともあります。さらに、プールに次亜塩素酸が含まれていたり、89種類の薬やサプリメントを飲ませたり塗ったりすることもあり、不自然そのものの環境です。海外では精神的に病んでしまったイルカに精神安定剤を飲ませることもあります。
――なるほど。他に特に気になった動物の異常行動はありますか?
目黒 ゾウですね。特に彼らにショーを強制する施設で異常行動が目立ちます。というのも、ゾウの曲芸や人が乗るような技は、調教師や飼育員がブルフックやドリルを刺したりひっかけたり、苦痛を伴う行為で脅して無理矢理いうことを聞かせているのです。
――ブルフックといえば、「虐待にあたる可能性がある」という理由で、米カリフォルニア州のロサンゼルスとオークランドで禁止されましたが、日本ではまだ使われているんですね。
目黒 はい、日本でも禁止して欲しいです。日本の動物園のゾウは、タイやインドからから持ち込まれた子達もいます。そのタイでは、パジャーン(タイ語で「精神を打ち砕く」という意味)というゾウの調教儀式があります。赤ちゃんのゾウをお母さん象から引き離して、四脚を縛り丸太の中に閉じ込めて、ブルフックで急所を刺すなどして、人間に対する恐怖を植えつけるものです。パジャーンは赤ちゃんゾウの心が壊れるまで、昼夜続けられます。服従するまで水や食料も制限されます。
こうしてゾウにトラウマを仕込み、その後もブルフックで恐ろしい体験を思い出させることで服従させているのです。ゾウは頭がよく感受性もあり、ずっと昔に亡くなった仲間のことも覚えていたりする動物です。
――本当に残虐な映像ですね。ブルフック擁護者は「ゾウの皮膚は厚いから痛くない。ツボ押しくらいの感覚だ」などと主張しますが、明らかに苦痛を伴っているようですね。
目黒 ゾウは本当に敏感な動物で、身体にハエがついても分かりますし、100キロ先に落ちた雷を足の裏から感じるようですよ。
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2024.10.02 20:00心霊ゾウを“精神崩壊”させる残酷調教「パジャーン」とは!? 全国282カ所の動物園・水族館を偵察した活動家インタビューのページです。タイ、ツボ、動物園、イルカ、トラウマ、ゾウ、野生、水族館、動物虐待、活動家、精神崩壊、パジャーン、調教、動物愛護管理法などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで