統一教会信者が「多額の寄付金」を差し出す心理とは? サイコドクターにインタビュー(後編)
――「家族がサターン」で日本はエバ国だから罪深い、という反日思想を信者は嫌じゃないのですか?
黒岩 純粋で真面目な人が信者になります。敬虔で謙虚な方ほど、日本は罪深いと考える傾向にあります。そして、先ほどもお話した通り、人間には身の安全確保のため、「失敗などの悪いこと」の方を「良くしたこと」よりも多く記憶する傾向があります。歴史的に日本が犯した罪への贖罪として、奉仕の考えが出てくるのではないでしょうか。また『霊幻道士』など映画の影響か、道教の流れで中国や韓国には日本より進んだ呪術的密教的なものを感じるところもあり、「密教的キリスト教」と考えれば、抵抗はあまりなくなく受け入れられたと考えられます。
――統一教会の「教会改革」会見についてはどう思いますか?
黒岩 言っていることが曖昧に感じました。結局、具体的には何の規定もできていないということでした。全額寄付した場合、未成年の家族は大変困ることになります。
勿論、キリスト教のカトリックなどでも敬虔な信者が、遺言で「全財産を教会に寄付する」という例は多くありますので、寄付の制限は難しいものがあります。
以前、当院にオウム真理教の信者の親御さんがいらして、信者になったご子息に「財産を全額オウムに寄付するから生前贈与して欲しい」と強く言い寄られ頼まれ困っていたケースがありました。
難しいところですが、たとえば、「未成年の家族がいる場合、お布施が最大でも財産の半分まで」とか、「同一世帯の家族全員の同意がない場合、本人財産の半分が限度」など、規定を設けることができたら、統一教会も家族のことを考えているのだと感心しますね。
――では、現状だと今後も統一教会はあまり変わらないと思いますか?
黒岩 信者離れも進みますでしょうから、いったん大人しくなると思います。これを機に改革してもらいたいですね。
――ありがとうございました。
統一教会が本当に改革する意志があるなら、被害に遭った信者や信者の家族に対して誠意を示し、黒岩氏が指摘するような具体的な改革を実行すべきだろう。日本国憲法上「信仰の自由」はあるが、それは内心におけるものであり、人を騙すことや家族を犠牲にすることを許すものではない。
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2024.10.02 20:00心霊統一教会信者が「多額の寄付金」を差し出す心理とは? サイコドクターにインタビュー(後編)のページです。カルト、統一教会、心理学、寄付などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで