“老化が70%遅い”謎の部族「チマネ族」とは? 脳スキャンで「アンチエイジング」の衝撃の事実が判明!

 今夜19時56分から放送される「世界一受けたい授業」(日本テレビ系列)のテーマは「老化予防」。緑色が残ったバナナを食べると老けにくい!? 正しいボディークリームの塗り方など、最前線の老化研究をもとに、老けやすい人、老けない人の違いに迫る!

 近年、アンチエイジング医療の現場では、”老化が非常に遅い部族”としてボリビアの先住民族・チマネ族が注目されている。チマネ族はアマゾンの熱帯雨林に住んでおり、人口は1万5000人ほど。長年に渡って、チマネ族を研究しているヒラード・カプラン博士が先頃発表した論文によると、彼らの脳をスキャンした結果、中年期から老年期にかけての脳の容積の減少度が他の民族よりもはるかに遅く、萎縮が少ないことが判明したという。

 カプラン博士は、”食生活とライフスタイルが最も可能性の高い説明となる”との見解を示しているようだが、しかしなぜ、他にもシンプルな生活を営む部族が地球上に多く存在するにもかかわらず、彼らだけがとりわけ健康なのだろうか?謎は深まるばかりである。

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※ こちらの記事は2021年6月14日の記事を再掲しています。

 ボリビアのアマゾン川流域に住むチマネ族は、先進国の人々より、身体も脳もはるかに健康だという――。

きわめてスローエイジングな「チマネ族」

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老化速度の遅いチマネ族 画像は「Daily Star」より引用

 WHOの2020年版世界保健統計によると、平均寿命が最も長い国は日本で84.2歳、2位はスイスで83.3歳である。

 しかしこれは、必ずしも良いニュースとは言えない。日本では全人口におけるアルツハイマー型認知症の有病率が2.33%で、OECD(経済協力開発機構)加盟国のうちで最多なのだ。

 そんな日本人にとって、聞き逃せない研究が先頃発表された。

 それは、遠くボリビアに住む先住民族「チマネ族」についての研究だ。

 チマネ族は、アマゾンの熱帯雨林に住む部族で、人口は1万5000人ほどと言われている。チマネ族はここ数十年間、「老化が非常に遅い部族」として、欧米の抗老化医学の研究者たちから注目されている。

 米国チャップマン大学で医療経済学と人類学の教授を務めるヒラード・カプラン博士は、20年近くチマネ族を研究してきた。

 カプラン教授が、医学雑誌「ランセット」に発表した論文によると、「チマネ族の75歳以上の人は、ほとんど心臓病のリスクがない」という。そしてチマネ族の血管老化レベルは、これまでに記録された世界中の民族の中で、最も低いことも明らかになった。

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研究者たちは40歳から94歳までの746人のチマネ族の成人の脳をスキャンした 画像は「Daily Star」より引用

 カプラン博士率いる研究チームは、今回、40歳から94歳までのチマネ族成人746人の脳をスキャンした。

 これはなかなか困難を伴う調査で、参加者たちは、遠隔地にあるチマネの村から、ボリビアの都市トリニダードまで、川と道路を使い丸2日かけて移動しなければならなかったという。トリニダードは、調査に必要なCTスキャン装置がある最寄りの町だ。

 研究チームは、スキャンを使用してチマネ族の脳の体積を算出し、年齢との関連性を調べた。次に、研究者たちはこれらの結果を、米国とヨーロッパの3つの先進国の人々の結果と比較した。

 その結果、チマネ族の中年期から老年期にかけての脳の容積の減少度は、欧米人よりもはるかにゆっくりで、約70%遅いことがわかった。研究者によると、これはチマネ族の脳は年をとっても、西洋人よりも脳の萎縮がはるかに少ないこということだ。

 現代医学では一般に、人間の脳の重さは90歳の時には60歳の時よりも、5~7%程度軽くなる、と考えられている。脳の萎縮は、認知障害、機能低下、認知症のリスクと相関している。

 カプラン博士は、チマネ族には現代医学へのアクセスがないため、食事とライフスタイルが最も可能性の高い説明となる、と述べた。

 博士は、「砂糖と脂肪が豊富な私たちの座りがちな生活と食事は、加齢とともに脳組織の損失を加速させ、アルツハイマー病などの病気にかかりやすくしている可能性があります」と述べる。

日中の90%を動き回るライフスタイル

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水上から見たチマネ族の村 画像は「Daily Star」より引用

 そのチマネ族の生活だが、彼らは狩猟、採集、釣り、農業を含む自給自足の生活を送っている。そして、彼らは身体活動が非常に活発で、野生の豚、バク、カピバラといった動物を狩るために、1日中歩き回る。統計によると、1日に1万7000歩は歩き、60歳以上の人も平均して1万5000歩は歩くという。

 先進国の人々は、起きている時間の半分以上座っているという調査があるが、チマネ族は日中のうち90%は動き回り、10%しか座らない。そして、野菜、魚、赤身の肉など、食物繊維の多い食事を摂る。

 南カリフォルニア大学の研究者であるアンドレイ・イリミア博士は、「チマネ族は、現代のライフスタイルが健康に有害な影響を与えているという事実を私たちに見せてくれました」と言い、また「これらの発見は、心臓病のリスクを低下する同じ生活習慣要因によって、脳の萎縮も大幅に遅くなる可能性があることを示唆しています」と語った。

 しかしそのチマネ族にも今や、ひたひたと文明の害悪が押し寄せているらしい。

「この5年間で、新しい道路と電動カヌーの導入により、砂糖や食用油を購入するために、近くの市場町へのアクセスが劇的に増加しました」と、チマネ族を研究する米国アリゾナ州立大学のベン・トランブル博士は述べる。これは、チマネ族の人々に大きな経済的、栄養学的な変化をもたらしている。ライフスタイルが変化したチマネ族の人々は、昔ながらの狩猟や釣りを行う人々よりもコレステロール値が高くなっているという。先のカプラン博士は、町に行きやすくなり、ライフスタイルが変化したチマネ族の人々の追跡調査によって、さらなる調査を行いたいと考えているという。

 地球上には今でも、シンプルな生活を営む部族が多く存在する。その中でもなぜ、チマネ族がとりわけ身体も脳も健康なのだろうか。やはり、そこには何らかの秘密があるとしか思えない。研究者たちのさらなる調査に注目したい。

参考:「Daily Star」、「The Guardian」、「Sci-News」、ほか

文=三橋ココ

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