冬虫夏草で人類がゾンビ化する? 専門家が警告、WHOも懸念する19の真菌の脅威
映画やゲームなどで「世界中にゾンビが広がって人類の文明が終焉を迎えてしまう」という展開はよくみられる話だが、このシナリオが現実のものになる可能性がある、という話が専門家からも出て来て注目を集めている。
ここで取り上げられたのはゲーム「The Last Of Us」だ。この作品では寄生性の超微生物である冬虫夏草が人間の心を乗っ取ってゾンビに変えるという設定だった。これはデービッド・アッテンボローのドキュメンタリーで、冬虫夏草がアリの脳を乗っ取って、コロニーを全滅させるようにアリの心をコントロールする様子を描いたものが元になっているという。
今のところ、冬虫夏草は人体の通常の体内温度である37℃に対応するようになっていないため、人類が冬虫夏草によってゾンビになってしまうことは考えられない。しかし、ヒトの真菌病原体の専門家であるエレイン・ビグネル教授は、他の有害な「真菌」が牙を剥けば、ゾンビパニックが起こりうると警告を発している。
「多くの真菌の種が非常に目立つ病原体であり、毎年何十万人もの人々を殺しています。ただ、一般の人々はこのことをよく認識していません」とビグネル氏は語る。
実際、世界保健機構(WHO)の報告書によれば新型コロナのパンデミックの間、患者の間で真菌感染症が「著しく増加」したという。真菌は多くの家庭で見られる一般的なカビだが、「慢性および急性の肺疾患」を引き起こし、死に至る可能性がある。特にカンジダ・オーリス(Candida auris)は高い薬剤耐性を持つため、世界中の病院で多くの集団感染を引き起こし、免疫力が低下した人に生命を脅かす可能性が高いという。
ビグネル教授はメディアに対し、「冬虫夏草は高温で生きる能力を獲得していないが、他の多くの菌類は高温でも生きられる」と語っている。またコペンハーゲン大学教授のヘンリック・デ・ファイン・リヒト博士も、「真菌の病気が本来の対象である種から人間へ”飛び火 “するというのは、それほど突飛なことではありません。新しい病気の多くは他の種から移ってきた病原性生物に由来することが多いので、この考えは説得力があります」と語っている。
WHOは、リストに掲載された19の真菌の脅威に対抗するため、世界各国政府に対策を講じるよう呼びかけている。
参考:「Daily Star」ほか
【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊冬虫夏草で人類がゾンビ化する? 専門家が警告、WHOも懸念する19の真菌の脅威のページです。ゾンビ、WHO、冬虫夏草、真菌などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで