アメリカとドイツで起こった「ドッペルゲンガー殺人事件」が薄気味悪い… 似ているだけで殺害対象になる恐怖

ドッペルゲンガー殺人事件:アメリカ

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ビクトリア・ナシロワ(画像は「New York Post」より)

 ロシア出身の47歳、ビクトリア・ナシロワは、2016年にスタイリストの身分を奪うため、毒を盛ったチーズケーキで殺害しようとした疑いで起訴され、現在裁判が進められている。

 2014年11月、ロシアに住んでいたナシロヴァは隣人であるアラ・アレクセンコさんを殺害。アレクセンコさんが実母の家を売却したことを知り、その金を奪おうとしたとみられている。その後ナシロワは米ブルックリンに逃亡し、SMの女王として働いていた。

 そうした中、彼女は自分が通うサロンで働いていた同じくロシア人のオルガ・ツヴィックさんが、まるで姉妹のように自身にそっくりだということに気づく。そこで逃亡生活に終止符を打つため、ナシロワはツヴィックさんの身分を奪おうと画策。

 2016年8月28日、ナシロワはスケジュールの都合でサロンに行けないため、ツヴィックさんの自宅でまつ毛のタッチアップをしてほしいと依頼。ナシロワはブルックリンで一番おいしいと評判のチーズケーキを持参して現れたという。

 ケーキを食べてから20分ほどでツヴィックさんは嘔吐し、体調を崩した。翌日、ナシロワは、ツヴィックさんの体調を気遣うようにチキンスープを持って、再び訪問。これを食べたツヴィックさんは昏睡状態に陥った。その後、寝間着姿の彼女が発見され、ベッドには薬が散乱していた。検察は、ナシロワがチーズケーキとスープの両方にフェナゼパムを混入し、自殺を図ったように見せかけたと主張している。幸いなことにツヴィックさんは一命を取り留めた。

 フェナゼパムは1970年代に旧ソ連で開発された向精神薬で、一般に発作、不安、筋肉の痙攣の治療に使用されているが、過剰摂取により「深い鎮静」「呼吸抑制」「死」につながる可能性があるという。

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ツヴィックさん(画像は「New York Post」より)

 ナシロワは2017年3月、アレクセンコさんの娘が雇った私立探偵の協力もあり、アレクセンコさんの殺人事件で逮捕された。そして2018年2月、ツヴィックさんの毒殺未遂で第2級殺人罪でも起訴された。有罪になれば、彼女は最高で25年の禁固刑に直面する。

 これに加えて、2016年に出会い系サイトでナシロワに会った後、薬物を投与されたと主張する男性もいる。この男性はナシロワが調理した魚と野菜を食べ、3日後に入院したという。さらに、出会い系サイトで知り合ったほかの男性2人にも薬物を盛った疑惑があるそうだ。

 しかし、薬物混入疑惑を証明するのは「非常に困難」だと元マンハッタン検事のジョン・バンドラー氏は指摘しており、今後の裁判が長引く可能性もありそうだ。ナシロワが本当に自分と似ているという理由だけで殺害を企てたのだとしたら、その身勝手さに同情の余地はない。その時は正義の鉄槌が彼女に下ることになるだろう。

参考:「The Sun」「Bild」「New York Post」ほか

TOCANA編集部

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