全米を震撼させた未解決殺人事件「箱の中の男の子」の身元が65年ぶりに判明！

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　アメリカ・フィラデルフィアの未解決事件として悪名高い「箱の中の男の子」事件。今月8日、65年以上にわたり身元不明だった少年の正体が遂に判明したことが発表された。

箱の中の男の子

　1957年2月25日、フィラデルフィア州のサスケハナ・ロードで、ある男が野生動物に仕掛けた罠の様子を調べに行った際に、不思議なダンボール箱を見つけた。一見して、その箱には人形が入っているように見えたが、近づいてみると箱の中の“それ”は人形ではなく、身長1メートルにも満たない裸の男の子の死体であった。

　実は、その発見者は密猟行為をしていたために警察への報告を迷ったが、数日後に警察に通報した。警察はこの男の子は4～6歳だが年齢の割に小柄で、もともと重度の栄養失調状態であり、身体はひどい打撲傷で覆われていると発表した。

　また男の子の髪の毛は、死の直前か直後に急いで刈られたようだということもわかり、遺体には切られた髪の毛がたくさん付着していた。そして男の子の爪はきれいに切りそろえてあり、身体をさらに調べると、より興味深い手掛かりが得られた。

　遺体は死ぬ直前、または直後に水に浸かっていたことが判明したのだ。さらに男の子は、慢性的な眼の病気に罹っていた可能性があるうえ、足首と鼠径部には手術を受けたことを示す傷痕もあった。

　死因は頭部に強い打撃を受けたことによるものと判断されたが、確かではない（1957年当時の検死技術はそれほど高くなかった）。

　犯行現場に手掛かりは幾つもあった。男の子の死体の入っていた箱はデパートの「JC Penny’s」のもので、揺りかごを入れるために使われていた。箱には製造者番号と、現場から24キロメートル離れた場所にあるJC Penny’sの支店名と住所まではっきり印刷されていた。

箱の中の男の子の身元は…？

　全米中で捜索が行われ、いくつかの仮説が飛び出したが、決定的な証拠に欠け、迷宮入りかと思われていた……。ところが、この度、フィラデルフィア市警本部長のダニエル・アウトロー氏が記者会見で、遂にこの少年の身元が判明したと発表したのだ。

　この少年はジョセフ・オーガスタス・ザレリという名で、1953年1月13日生まれ。死亡時の年齢は４歳に満たなかった。

アウトロー氏は記者会見で、「この子は、短い生涯の間に、誰も、誰も、決して受けてはならない恐怖を経験したことが明らかです」と述べている。

　少年の身元特定にはDNA技術の進歩が鍵だったという。警察はジョセフの母方の家族と連絡を取っており、ジョセフの実の両親の身元もわかっているようだと述べた。

　ただ、ジョセフが殺害された経緯についてはまだ捜索中とのこと。事件の全貌はまだ明らかになっていないが、少年の身元が明らかになったことで、捜査は一層容易になるはずだ。今後の捜査にますます期待したい。

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