古代コンピュータ「アンティキティラ島の機械」にまつわる11の事実!
古代ギリシア時代のアナログコンピュータといわれているのが「アンティキティラ島の機械」だ。この2000年前の驚異のガジェットについて現状でわかっている11の事実があるという――。
アンティキティラ島の機械
1901年にギリシャのアンティキティラ島の海岸沖で難破船の残骸から発見された「アンティキティラ島の機械(Antikythera Mechanism)」は、古代ギリシアの手動式天球儀(太陽系の時計仕掛けモデル)で、天体の位置を予測し、発生の何十年も前に日食を予測するために使われていた。
時代を考慮すれば驚異的なまでに精巧で複雑なメカニズムで動作するアンティキティラ島の機械は高さ34センチ、幅18センチ、奥行き9センチほどの木箱の筐体に納められている。
作られたのは紀元前70~60年頃とされているが、紀元前200年以上前のものだとする見解もあるようだ。
まるで時代を超越しているかのような驚異のギミックが施されたアンティキティラ島の機械なのだが、いわゆる“オーパーツ”※ではない。「Interesting Engineering」の記事によればアンティキティラ島の機械について現在でわかっている11の事実があるということだ。
※ オーパーツとは英語の「out-of-place artifacts」を略して「OOPARTS」とした語である。直訳すれば場違いな工芸品である。主に出土品などが、考古学上その成立や製造法などが不明とされたり、当時の文明の加工技術や知見では製造が困難あるいは不可能に見える場合にオーパーツと見なされることが多い。しかし、学問上の研究対象になることは少なく、多くのオーパーツやそれにまつわる超古代文明の存在や古代の地球に宇宙人が飛来し技術をもたらしたとする「古代宇宙飛行士説」はオカルトとみなされる。代表的なオーパーツは、アステカ遺跡で発掘されたとされる「水晶髑髏」、バグダードで製造されたとされる土器「バグダッド電池」、未知の文字で書かれた古文書「ヴォイニッチ手稿」、工芸品以外ではペルーの「ナスカの地上絵」、イギリスの「ストーンヘンジ」などがある。
1. アナログコンピュータである
アンティキティラ島の機械は、アナログコンピュータと考えることができる。
この紀元前のデバイスは宇宙の地球中心の見方に基づく一種の時計として使用されていて、天体時間を表示するための太陽、月、および肉眼で見える5つの惑星(水星、金星、火星、木星、土星)のそれぞれに別々の針が備わっている。
回転するボールが月の満ち欠けを示し、背面の文字盤はカレンダーとして機能し、月食と日食のタイミングを示す。碑文には特定の日付にどの星が昇り沈むかが説明されている。まさに小型のアナログコンピュータなのである。
2. ローマ時代の難破船から発見された
アンティキティラ島の機械はギリシャ本土とクレタ島の間に位置するアンティキティラ島近くの沈没したローマ時代の難破船で発見された。
この古代の難破船は保存状態を良好に保った古代遺物の宝庫であったのだ。
3. 最初の発見者は命がけであった
1901年当時のダイビングは命がけであった。銅製の水中ヘルメットにキャンバス製の潜水スーツのダイバーが水面下45メートルの難破船に到達してこの機器をはじめ数々の遺物を回収したのだが、その過程で潜水士1人が死亡し、2人が減圧症による全身麻痺に苦しめられた。
4. 装置のメカニズムを解読するのに75年かかった
研究者は当初、このデバイスが何を目的としているのか、どのように機能するものであるのかまったく見当がつかなかった。
1951年頃から物理学者で歴史家のデレク・デ・ソーラ・プライスがこの装置を詳細に研究し始めたが、残念なことに彼は装置がどのように機能するかを解明することなく1983年に亡くなった。
アンティキティラ島の機械のメカニズムは、1990年代後半から2000年代前半までは意味のある検証ができていなかったのだ。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊古代コンピュータ「アンティキティラ島の機械」にまつわる11の事実!のページです。コンピュータ、古代ギリシア、天文学、機械などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで