古代コンピュータ「アンティキティラ島の機械」にまつわる11の事実!
5. 人類初のコンピュータである
前述したようにアンティキティラ島の機械はアナログコンピュータなのだが、天文学的な出来事について日付を割り出し、予測するために作られたため、これまでに発見された人類史上初のアナログコンピュータと見なすことができる。
6. 著名な専門家を魅了した
フランスの海洋学者、ジャック・クストーは1978年にアンティキティラ島の難破船を訪れ、紀元前1世紀のコインとアンティキティラ島の機械の小さなブロンズ製の部品を発見した。
加えて有名な物理学者のリチャード・ファインマンはいたく好奇心を刺激され、アテネの国立博物館にアンティキティラ島の機械を見物に訪れている。
7.三角法の発明者が関与していた可能性
古代ギリシアの天文学者で三角法による測量を初めて行ったとされているヒッパルコス(B.C.190頃-B.C.120頃)は、アンティキティラ島の機械の作成に関与した可能性があるという。
デバイスに表示される日食周期はバビロニア起源であり、ヒッパルコスはバビロニアの天文学的計算をギリシャ語とブレンドしたことで知られている。ひょっとすると装置の背後にある計算を行ったのは、ヒッパルコスかその教え子である可能性もあるという。
8. 天体の予測以外にも使われていた
アンティキティラ島の機械は太陰暦を追跡し、日食や月食といった天体の運行、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星の位置を手動で割り出す道具であったのだが、季節や古代オリンピックのような歴史的なイベントを追跡するためにも使用されていた可能性もある。
特定の文字盤によりユーザーは季節を可視化することができ、農業にとって有益であった。
古代バビロニア人は日食の仕組みを知っていたので、アンティキティラ島の機械を作った人は、日食と月食の両方を表示するために回転する2つの文字盤を装備した。しかしこの機構ができる最も複雑なことは、ある時点での月の周期の長さを割り出し、その楕円軌道をモデル化することだったかもしれないのだ。
9. 取扱説明書が付いていた
筐体の背面にある青銅のパネルが取扱説明書として機能していたことが示唆されている。
ギリシャ語(コイネー)で書かれたこの記述には、デバイスの動作方法に関する指示と、表示に関する説明が含まれていた可能性がある。しかしユーザーがそれを理解するには天文学と天文デバイスに関する広範な予備知識が求められていたと考えられている。
10. 難破船にもう一つあるかもしれない
クストーが1970年代半ばに水中の考古学的遺跡を調べて以来、本格的な追加の調査が行われていない。
しかし2012年にはウッズホール海洋学研究所をはじめとする海洋考古学者チームが、高度なスキューバ装備を使用して再び難破船に潜入し新たな遺物を次々と発見している。
おそらく難破船には発見されるのを待っている別の同様のデバイスが存在する可能性がある。
11. 驚くほどの正確さ
前述したように機械には水星、金星、火星、木星、土星の針またはポインターがあり、これらはすべて肉眼で見ることができ、月の満ち欠けを示す回転ボールも付いている。
研究者は機械のフロントプレートのテキストは、惑星の動きが多くの複雑な歯車を使って数学的にモデル化されており、非常に正確であったことを示唆している。
20世紀のスタート時に発見されて以来、この謎めいたアンティキティラ島の機械は、それを見たり研究したりしたすべての人を困惑させ、畏敬の念を起こさせてきた。それがどのようなものであったか、または正確にどのように機能したかを正確に知ることはできないが、当時のエンジニアリングの驚異的な偉業であることは明らかだ。
参考:「Interesting Engineering」ほか
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2024.10.02 20:00心霊古代コンピュータ「アンティキティラ島の機械」にまつわる11の事実!のページです。コンピュータ、古代ギリシア、天文学、機械などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで