1978年イタリアは宇宙人に侵略されかけていた? 500件の接近遭遇報告から7件を紹介

 世界中で目撃されているUFO(※)と宇宙人だが、イタリアでの目撃報告には著しい偏りがあることがデータから明らかになっている。不思議なことに1978年のイタリアでずば抜けて目撃報告が多いのである。

(※) UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。最初のUFO目撃談とされる1947年の「ケネス・アーノルド事件」で、実業家のケネス・アーノルドが目撃した飛行物体について「水の上を滑る円盤のように」動いていたと描写したことから、宇宙人の乗り物を「空飛ぶ円盤(flying saucer)」と言うこともある。

 この年、イタリア国内で500件以上の証言が記録されており、そのうち少なくとも130件は接近遭遇事件であり、25件はヒューマノイドに関係していることが記されている。1978年のイタリアで起こった代表的なUFO&宇宙人遭遇事件は以下のようなものだ。

4月25日:カンパニア州サレルノ

 26歳の婦人は50メートルほど前方に、木の高さほどの大きさの巨大なオレンジ色の球体のUFOを目撃。UFOはゆっくりと縮小しているようで、中からオレンジ色のボディスーツに同じく濃いオレンジ色のブーツを履いたエイリアンが出てきた。顔は完全に人間のように見え、円錐形の帽子か機器をかぶっていた。

 慌てた婦人は夫へ連絡しようとしたが、エイリアンがUFOの内部に戻り、さらに機体はどんどん縮小して見えなくなってしまったのだった。

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画像は「Pixabay」より

6月25日:カターニア県アドラーノ

 午後遅くに数人の地元住民がエトナ山から車で戻る途中、2つのヘッドライトのようなものが後ろから追ってくることに気づき車を停めてみたのだった。近づいてきた光は車ではなく人間の姿をした2体のエイリアンで、それぞれが右手に明るく点滅する物体を持っていたという。目撃者たちは恐怖を感じてその場から逃走したということだ。

8月28日:アブルッツォ州キエーティ

 午前2時30分、パン屋の男性が仕事に向かう途中、車が故障した。男性がボンネットの下を確認していると、きわめて明るい光が周囲を照らし、遠くに8歳児くらいの身長の5人の人影があること気づいた。彼らはぴったりしたグレーのボディスーツを着ており、アンテナのようなものがついた大きなフードをかぶっていて、路面から25センチほど浮いた状態のまま一列縦隊で素早く移動していた。

 彼らはシャベルに似た形の何らかの装置を運んでいるように見えたが、移動するスピードは速くすぐに見えなくなった。

9月17日:トスカーナ州シエーナ県

 美容師の男性(25歳)が午後9時頃に田舎道で車を運転していたのだが、車が突然動かなくなって停まると、目の前の路上に直径約3メートルほどのドーム型UFOが路面から1メートルほど浮いて静止していたのだった。底部からは赤い光が放たれていて路面を照らし、上部はオレンジ色に輝いていた。

 停まった車の中で唖然としていた男性であったが、機体の底部のドアが開き身長1メートルほどの痩せたエイリアンが2体出てきて車のほうへ歩いてきたという。エイリアンは緑色のボディスーツを着ており大きなヘルメットを被っていた。小柄ではあるが姿も顔もほぼ人間に近い容姿であった。

 2体のエイリアンは興味深そうに男性の乗用車(フィアット)を近くで見物し、周囲を一周してからUFOに戻って中に入ると、UFOは上昇して飛び去っていった。UFOが見えなくなってしまうと車のヘッドライトが点灯し正常に動きはじめたということだ。

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画像は「Pixabay」より

9月18日:ウーディネ県

 午後3時30分ごろ、コルナ川のほとりで釣りをしていた男性(47歳)が、坂の上で直径4~5メートル、高さ3~4メートルのドーム型UFOを目撃した。金属製の機体は黄金色に輝いていて、低空で静止していた。

 男性が眺めていると、中から身長1.3メートルほどのエイリアンが出てきて機体を外から修理しているようであったという。男性の存在に気づくとエイリアンは驚いたような表情を見せたということだが、修理を終えたのかUFOの中へ戻ると機体はゆっくりと10メートルほど上昇し、そこからは高速で南西に向かって飛び去っていったのだった。

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画像は「Pixabay」より

12月16日:キエーティ県フランカヴィッラ

 午後遅く、原付バイクで帰宅中の男性が、路傍に立つ小さく丸い目をした2人の「小さな奇妙な存在」を目撃した 彼らは腕を後ろに組んで笑っているようで、2人のうちの1人は顎を少しひねっていた。

 彼らはシルバーのボディスーツを着ており、頭には耳を覆うイヤーウォーマーのようなものを装着していた。彼らの脚には膝関節がなく2本の棒状であった。

 男性はバイクを停めて彼らに近づきタバコを勧めたが彼らは拒否した。その直後にまばゆい光のフラッシュに包まれて目を閉じた男性が再び目を開けると、2人の姿は跡形もなく消え去っていた。

12月23日:キエーティ県サン・ヴィート・キエティーノ

 午後8時30分ごろ、家族を乗せた車がまばゆい光を放ち低空を飛ぶUFOに追い越されると、車が動かなくなり急停止した。

 その直後、停まった車の前を身長1メートルほどの小さなヒューマノイドが横切り、路傍の林の中へと分け入って見えなくなった。ヒューマノイドは茶色の宇宙飛行士のようなスーツを着ていて、黒い四角いバイザーが付いた大きなヘルメットをかぶり、白い手袋を着用していた。ヒューマノイドは路面から30センチ前後浮いているように見え、飛び跳ねるような動きで移動していた。

 ドライバーの父親は1体だけ目撃したが、後部座席の2人は2体を目撃したと報告している。

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画像は「Pixabay」より

 以上、代表的なUFO&エイリアン目撃報告だが、その中には地元に古くから伝わる「妖精伝説」に似ているパターンがあることも指摘されている。UFOやエイリアンではなく妖精の仕業だったという可能性も残されているが、なぜ1978年のイタリアで、このような超自然的な存在の目撃が著しく多かったのか、UFO研究において最も興味深い出来事の1つであることは間違いない。

参考:「Mysterious Universe」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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