ボケ老人VS陰謀論者2024年米大統領選の“ヤバさ”をジェームズ斉藤が解説! 米民主党がトランプ化!? CIAを目の敵にするケネディの甥っ子が台風の目に…

ジェームズ斉藤(以下、ジェームズ):久しぶりにアメリカの情勢をお届けしましょう。いま来年の大統領選挙に向けて民主党も共和党も盛んに動いていますが、面白い現象が起こっています。それは民主党のトランプ化です(笑)。

──民主党のトランプ化!? どういうことですか?

ジェームズ:言葉通りの意味で、民主党のロバート・ケネディ・ジュニアが中心人物です。

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ロバート・ケネディ・ジュニア(画像は「Getty Images」より)

──あっ、ケネディ・ジュニアですか(笑)。

ジェームズ:いま彼の人気は凄いですよ。先日もトランプ関係者、デサンティス関係者、ケネディ・ジュニア関係者に会ってきましたが、一番勢いがあったのはケネディ・ジュニア関係者でしたね。人気の秘密はトランプが言い始めたディープステートとの戦いに乗り出しているためです。

──対ディープステート!? まだそれ人気があるんですか?

ジェームズ:あります。アメリカで政治に関心がある人たちにはとてもよく刺さるんですよ。実際、ディープステートの被害に合って一番苦しんでいるのは彼らですからね。

──いや、でも、ジェームズさんはディープステートを連呼する人たちをあまり信用してないですよね?

ジェームズ:してません。なぜなら、彼らはともするとカルトに走っていってしまうからです。トランプ支持者が特にそうで彼らはディープステートと戦っているうちにナチやKKKに入っていってしまいますからね(苦笑)。まあ、それはトランプ自身にもそういう傾向があるからなので、仕方ないところはあるのですが。一方、ケネディ・ジュニアの場合は彼らとは違ってディープステートとは言わずにCIAと名指しをするんですよ。

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ドナルド・トランプ元大統領(画像は「Getty Images」より)

──あっ、確かにそうですね(笑)。

ジェームズ:ディープステートと言ってしまうと実際の敵がどこかわからなくなるんですよ。だから、トランプが一つ無責任だなと思うのは、そういった超国家勢力をディープステートのような陰謀論の匂いがプンプンするような用語で全部まとめて終わりにしてしまったことです。これは知的無責任だと思います。ケネディ・ジュニアのほうが遥かに戦略的に正しくて、あとは知的責任を感じるんですね。たとえば、ディープステートと言って切り込むんじゃなくて、CIAそのものに切り込んでいるんで。しっかり目に見える存在に切り込んでいっているのが正しいと思います、やり方としては。

──トランプの場合はCIAも含めてディープステートが悪いんだっていうから、それで一気に胡散臭くなるんですね。

ジェームズ:胡散臭くなるし、なんの対応もできないんですよ。結局、トランプ自身がディープステートを煽るエージェントである可能性も否定できないんですね。

──お前もディープステートの一員だろうと。

ジェームズ:実際、ケネディ支持者の中には「トランプはディープステートだ」と広言していた人がいましたからね。「だから、ケネディに寝返った」と(笑)。なにしろ、ケネディ・ジュニアはCIAを敵に回して、「叔父のJFKを暗殺したのはCIAなんだ」「父親のロバート・ケネディ暗殺には真犯人がいる」という前提に立って選挙活動をやっていますからね(苦笑)。

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画像は「Getty Images」より

──いやぁ、面白いけど、よくやるなぁと思って(苦笑)。

ジェームズ:完全に「陰謀論の人」という扱いになってしまいますからね。もちろん、彼の言ってることは正論ではあるんですよ。ケネディ暗殺事件なんて疑惑しかないですからね。しかし、いま主要メディアは極左が牛耳っていますから、ケネディ・ジュニアがいくら叫んでも「事実に基づかない主張」と切って捨てられるだけなんです。それでも戦う姿勢に支持者が集まってきているんですね。で、その熱狂的な支持者というのは元トランプ支持者です。トランプ、デサンティスで満足できない人がいまケネディ・ジュニアに集まっているんです(笑)。

──つまり、濃いファンを集めているんですね(笑)。

ジェームズ:集めてます。ですから、ケネディ・ジュニア関係者には勢いがあるんですよ、良くも悪くもですが(笑)。

──具体的にどういう人たちなんですか?

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ジョー・バイデン大統領(画像は「Getty Images」より)

ジェームズ:たとえば、ケネディ・ジュニアの支持者の1人はこんなことを言っていました。「結局、我々をコントロールしているのは全部ロンドンなんだよな」と(笑)。

──おお、わかってますね。結局、「シティの奴らですよね」とか(笑)。

ジェームズ:「連邦準備銀行の筆頭株主が英国王室ですからね」とかですね。陰謀論の知識がないとケネディ・ジュニアの関係者とは話せないですから(笑)。まあ、これは陰謀論ではなく、事実なんですが。ですから、私は彼らと話している最中に、TOCANAの編集者たちと話している気持ちになりましたよ(苦笑)。

──それはいい話ですね(笑)。

ジェームズ:ただ、だからこそ、いまのアメリカは大丈夫なのかと思うんですよ。だって、そういう人たちが勢いを増しているんですよ。どれだけ病んだ世界なんですか? この病んだというのは陰謀論を信じる人が多い世界という意味じゃないですよ。権力者の不正を陰謀論だといって政府も司法もメディアも封じ込めているから、逆に、人々は不信感を感じて、トランプを応援し、ケネディ・ジュニアを応援するんです。

──アメリカという国がメチャクチャ抑圧社会になっているんですね。

ジェームズ:その象徴ですよ、こういうムーブメントは。

──でも、なぜ、トランプではなく、ケネディ・ジュニアなんですか? 別にトランプだっていいのに、なぜ、トランプ支持者がケネディ・ジュニアに乗り換えているんですか?

ジェームズ:それはさっきも言ったようにトランプがディープステートを連呼するだけで、実際には戦っていないからです。逆にすべての不正や疑惑の事件の原因をディープステートの一言で済ませてしまうので、それ以上の検証がとまってしまうんですよ。逆に、ケネディ・ジュニアのほうはディープステートとは言わずに、「叔父を殺したのはCIAだ」と名指ししています。具体的な組織な名前を出すので本当の戦いになるんですよ。

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画像は「Getty Images」より

──だから、ケネディ・ジュニアはアメリカ人の大好物になるんですね。「お父さんとおじさんをCIAに殺されたんだ」とか言えば、「よし、弔い合戦だ」とかってなりますよね(笑)。

ジェームズ:なります(笑)。その熱狂が大事なんです。また、ケネディ・ジュニアはワクチンの疑惑問題についてもずっと発信していた人なので、それもよかったんです。というのも、トランプか、ケネディか、どっちに入れるかっていう、その分かれ目って実はワクチンなんです。ケネディ・ジュニア支持者からすると、「よく考えてみろよ、ワクチンの承認をしたのはトランプじゃないか」というのがあるんです。「ファウチを雇ったのもトランプじゃないか」と。一回、クビにしましたけど、ファウチを政権に入れて、ワクチンを承認したのもトランプだったんです。ですから、ここでトランプから離れてケネディに行くんですよ。

──ケネディ・ジュニア人気の秘密がよくわかりましたね。それは熱狂的に支持されますね。でももう、民主党は大統領候補をバイデンに決めたんですよね?

ジェームズ:党が指名する大統領候補はバイデンでしょうね。たぶん、ケネディは落ちると思うんですけど、前から言われていたのがトランプのキャンペーンに副大統領候補として乗り込む可能性は残っています。

──それは民主党にいたままですか?

ジェームズ:いえ、民主党から離れて共和党に行くってことです。そうなるとケネディ家に革命が起きます。ずっと民主党でやってきましたから、あの一家は。

──ということは結局、トランプVSバイデンになるんですよね?

ジェームズ:バイデンVSトランプになっても副大統領候補にケネディが滑り込む可能性は一応あります。そこはトランプが許すかどうかですけど、そうなったらまた見ものですね(笑)。

──というか、そこが見どころでいいのか? という気がしますね(笑)。

ジェームズ:ボケ老人VS陰謀論者ですからね(笑)。恐ろしい国ですよ。これが日本の最大の同盟国で、日本の命運を握っているんですからね。日本はそろそろアメリカの属国であることから脱することを真剣に考えるべきでしょうね。

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ジェームズ斉藤(@JamesSaito33)
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文=中村カタブツ君

元『紙のプロレス』編集者。現在は認知科学者である苫米地英人先生の出版関連業務に携わっている。
著書『極真外伝―極真空手もうひとつの闘い』(ぴいぷる社)
編集『苫米地博士の「知の教室」』(サイゾー)
編集・構成『日本人はもっと幸せになっていいはずだ』(サイゾー)

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