魔法少女が事故物件で鬼退治! 映画初出演で主演の早河ルカが『恐解釈 桃太郎』を熱く語る

 配給会社のエクストリームとホラー専門サイト「オソレゾーン」がタッグを組み、おとぎ話をモチーフにしたバイオレンスホラー映画『恐解釈 桃太郎』を世に送り出す。

 桃太郎の血を引く魔法少女が、こっくりさん、メリーさん、お菊さんをお供に事故物件へ乗り込み、鬼の子孫と血みどろの死闘を繰り広げる。妖怪、幽霊、連続殺人鬼が入り乱れ、クレイジーでアブノーマルな悪夢がスクリーンを直撃する。

 この超問題作で主演を務める早河ルカさんに映画の見どころや撮影秘話などを聞いた。

撮影:本間秀明

――早河さんにとって『恐解釈 桃太郎』で印象に残っているシーンを教えてください。早河さんが登場してすぐに嘔吐するシーンがまず衝撃的でした。

早河ルカ(以下、早河):嘔吐のシーンは撮影の1日目に撮りました。その日は台本が多くてセリフの量が大変でしたし、1日詰め詰めで出ずっぱりでした。しかも、嘔吐のシーンを演技でやったことがないですし、出そうと思って出すものではないので、そこのリアリティーを演出するのが難しかったのが印象に残っています。

――鬼と対決するシーンも迫真の演技でしたね。

早河:私は血を浴びるシーンや叫んだりするシーンはほとんどありませんでした。だから、一番怖かったのは、鬼が追いかけてきて、私が押し入れに一人で入るシーンです。鬼はだいぶ狂っているし、押し入れは真っ暗で狭いし、鬼の足音と歌だけが聞こえる状態でした。リアルに「怖い」と思ったので、役に入りやすかったですね。

©恐解釈製作委員会

 このシーンは私の顔がドアップです。「顔の表情だけでどう怖さを伝えるか?」を考え、本当に息が詰まりそうな感じで、必死に怖さを耐えているような表情で目を見開くのを意識しました。監督からは「目が印象的だね」とよく褒めていただきました。

――改めて早河さんの目を観てみたいと思います。今回の映画には、お供の妖怪や幽霊にこっくりさん、メリーさん、お菊さんが登場しますが、お気に入りはいますか?

早河:お菊さんですね。小柄でインパクトが凄いんですが、演技していないときは小さくて可愛い感じです。黒い液体を口から出すシーンがあって、私はそれを見ながら「うわぁ、凄く大変だな」と思いました。

 何もない田舎でお菊さんと歩きながら家を探すシーンは凄くシュールでした。あの白塗りとインパクトの強さで、私よりもお菊さんに目が行くと思います。役者本人も役に合っていて印象深かったです。

©恐解釈製作委員会

――メリーさんやこっくりさんはどうですか?

早河:実はメリーさんは私がやっています。やることが急遽決まったので、ももの声とメリーさんの声をどうやって変化させるか、その変え方が難しくて、監督と何回もやり直しました。

 こっくりさんを演じたのは、2番目に亡くなる女性役の朝木ちひろさんです。こっくりさんは出る場面が多くて大変そうでしたね。手しか見えない存在なので、みんなで「どの角度がいいかな?」「どうやろうかな?」と話しながら撮影しました。その撮影風景も、癖が強いちひろさんもおもしろかったです。

 ちひろさんだけでなく、とにかくみんな癖が強い人物だらけです。一人一人の役に注目して観てもらえれば嬉しいですね。

――こっくりさんといえば、桃がこっくりさんに油揚げをあげてお願いしているシーンにはクスッとさせられました。ホラー映画なのに、怖いだけでなくいろいろなシーンがありましたが、そういうシーンの魅力を教えてください。

早河:ホラー映画なので、前半は私も「凄く怖いな」と感じました。でも、後半にかけていろんな物語が出てくるので、いろんな感情になれるはずです。私と同じくらいの若い世代だと、親との関係性を描いたシーンに感動したり共感したりできそうです。私が魔法をかけるシーンもクスッと笑えるシーンだと思いますね。

©恐解釈製作委員会

――撮影の思い出を教えてください。

早河:田舎での撮影だったので、空き時間にすることがなくてヒマでした。このとき、徒歩10分のところにスナックのカラオケがあると聞いて、「行く?」という話になりました。でも、お菊さんはお化けのまま行かなければならないから、「どうする?店に入れるかな?」と悩んだんですよ。

 お母さん役の佐倉萌さんが5歳くらいの娘さんを現場に連れて来ていたので、休憩時間にみんなでお話ししたり、ご飯を一緒に食べたりして、結局カラオケには行きませんでした。こういう雰囲気で、現場のみんなが明るく、仲良くおしゃべりしながら撮影していました。

――お菊さんとカラオケに行くのも楽しかったかもしれませんね。一方で、撮影のときやその前後で何かオカルト体験はありませんでしたか?

早河:私は霊感がなくて、撮影のときに霊が見えたとかはなかったですね。小さいときにハワイでUFOを見ましたが、その後はオカルト体験がありません。霊感のある人も身近にいなくて、そういう体験は聞かないんですよ。

 ただ、ホラー映画を観た後とかに、見えないんですけれど、何かいるような気配がすることはたまにあります。何もいないのに「あれ?いるのかな?」と思ってしまいます。

――そもそも早河さんを含むZ世代はどんなオカルトを求めているのでしょうか?

早河:私はオカルトの話をあまり聞いたことがなくて、みんなが何を求めているのかはよくわかりません。私自身は、昔起こった殺人事件や奇妙な事件を取り上げているYouTuberの番組を観るのが好きです。たとえば、ジェットコースターが機械の不調で倒れてしまう事故ですね。ジェットコースターは私たちも乗るもので、どのジェットコースターでもあり得ることだから、リアルに「怖いな」と感じます。

撮影:本間秀明

――身近なところに潜むリアルな恐怖に惹かれるのがZ世代なのかもしれませんね。話を元に戻しまして、『恐解釈 桃太郎』に出演されたことで、ご自身の中で何か変わったことはありますか?

早河:今回は映画の主演ということもあって、一つの大きなお仕事でした。不思議な役ではありましたが、凄く楽しかったんですよ。これまでは基本的にモデル活動が中心でした。でも、この映画に出演したことをきっかけに、以前より「演技についてもっと深く知りたいな」と思いました。今後いろんな演技を試してみて、もっと変わった役とか、学生の役とか、いろんな役を挑戦していきたいですね。

――ファンの皆さんや映画を観に来る皆さんに一言お願いします。

早河:ファンの皆さんには、いつもとちょっと違った一面を見せられると思います。そして、私のことを知らない方でも、ホラーが苦手な方でも、今回の映画はいろんな感情になったり、ワクワクドキドキの感動があったり、異世界に入り込んだような感覚になったりできるはずです。たくさんの方に今回の映画を、そして、いろんな私を観ていただけたら嬉しいです。ぜひ観に来てください。

――早河さんご自身も映画館に観に行くご予定はありますか?

早河:映画館で観ると迫力が凄そうなので、私自身も観に行きたいとは思っています。でも、友達と行くのは恥ずかしいし、親と行くのも「どうしようかな?」と悩んでいます。時間を見つけて、こっそり観に行けたらいいですね。

TOCANA編集部

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