「音が色に見える」「言葉に味がする」… 人類の1%〜4%が持つ特殊能力「共感覚」の不思議すぎる世界

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 音楽を聴くと目の前に鮮やかな色が広がったり、特定の文字を読むと甘い味がしたり……。

 まるでSF映画やファンタジー小説の魔法のような能力だが、これは決してフィクションではない。人口の1%から4%の人々が実際に体験している「共感覚(シナスタジア)」と呼ばれる神経学的な現象だ。

 ビリー・アイリッシュやロードといった世界的アーティストたちも公言しているこの不思議な知覚世界は、一体どのようにして生まれるのか? 脳が織りなす極彩色のミステリーとは。

痛みを共有しすぎる「ミラータッチ共感覚」も

 共感覚とは、ある一つの刺激(例えば「音」)を受けたときに、本来なら関係のない別の感覚(例えば「色」)が同時に引き起こされる現象のことだ。

 この能力を持つ人々(共感覚者)は、特別な訓練をしたわけでも、病気なわけでもない。彼らにとっては、それが「生まれつきの当たり前の現実」なのだ。

 最も代表的なのが、「文字や数字に色が見える(書記素色共感覚)」タイプや、「音に色が見える(色聴)」タイプだ。彼らにとって「A」という文字は常に赤く、「月曜日」という言葉には酸っぱい味がするかもしれない。そして、この感覚は大人になっても変わらないという。

 中には、他人が触られているのを見ると自分も触られているように感じる「ミラータッチ共感覚」という珍しいタイプもある。彼らの場合、映画の中で人が殴られたり痛めつけられたりするシーンを見ると、自分まで本物の痛みを感じてしまうため、アクション映画を見るのも一苦労だという。

なぜ共感覚は生まれるのか? 脳の「配線エラー」か「独自ルート」か

 科学者たちも長年この現象に魅了され、研究を続けているが、はっきりとした原因はまだわかっていない。現在、有力な仮説は2つある。

1. 脳の配線が多すぎる説(交差活性化理論)
 人間の脳は、成長するにつれて不要な神経回路(シナプス)を「剪定」して効率化していく。しかし、共感覚者の脳ではこの剪定が完全に行われず、文字を認識する領域と色を処理する領域が、物理的に「バイパス」で繋がったままになっているという説だ。

2. 脳の使い方が違う説
 脳の配線自体は普通の人と同じだが、そのルートの「使われ方」が強いという説だ。普通の人でも、モノクロのバナナの写真を見れば「本当は黄色い」と脳が勝手に補完する。共感覚者は、それと同じように「黒い文字」を見た時に、脳が自動的に特定の色を呼び出してしまうのだ。

 いずれにせよ、彼らの脳は健常であり、単に「世界をよりリッチな解像度で体験している」と言えるだろう。

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クリエイターに共感覚者が多い理由

「自分にもこんな能力があれば……」と羨ましくなるが、実際、共感覚はクリエイティビティと深い関係があるようだ。

 オーストラリアで行われた大規模な調査によると、共感覚者の約24%がアーティスト、音楽家、建築家などのクリエイティブな職業に就いているという。一般人口におけるその割合がわずか2%未満であることを考えると、これは驚異的な数字だ。

 音を色としてキャンバスに描いたとされる抽象画家のカンディンスキーも、共感覚の持ち主だったと言われている。異なるアイデアや感覚を無意識に結びつける能力が、彼らの豊かな想像力の源泉になっているのだろう。

「赤い音」「甘い数字」「痛い映像」。

 私たちの脳は、現実をそのままカメラのように映し出しているわけではない。一人ひとりの脳が、それぞれのフィルターを通して「現実」をカスタマイズして創り上げているのだ。

 もしあなたが次に音楽を聴いたとき、ふと「青い」と感じたら……それは気のせいではなく、あなたの中に眠る共感覚の扉が開いたサインかもしれない。

参考:ScienceAlert、ほか

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