偶然が歴史を変えた! 第一次世界大戦やベルリンの壁崩壊を引き起こした「歴史上の気味の悪い偶然」

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 歴史の転換点には、必ずと言っていいほど「偉人たちの計画的な決断」があるように思える。しかし、歴史の教科書を少しめくってみると、実は世界を揺るがす大事件の多くが、信じられないような「偶然」や「勘違い」、あるいは「単なるミス」によって引き起こされていることに気づく。

「あの時、道に迷わなければ」「あの時、言い間違えなければ」——今回は、人類の歴史を全く違う方向へと書き換えてしまった「4つの気味の悪い偶然」を年代順に紹介しよう。

1. 塹壕を掘っていたら歴史がひっくり返った「ロゼッタ・ストーン」(1799年)

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© Hans Hillewaert, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

 古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」。ルネサンス期以降、ヨーロッパの学者たちはこの神秘的な文字を解読しようと血眼になっていたが、手がかりが一切なく「永遠に失われた言語」になると思われていた。

 その絶望的な状況を覆したのが「ロゼッタ・ストーン」だ。紀元前196年、プトレマイオス5世の戴冠を記念して作られたこの石碑には、同じ内容がヒエログリフ、デモティック(民衆文字)、そして「古代ギリシャ語」の3つの言語で書かれていた。ギリシャ語と照らし合わせることで、ついにヒエログリフ解読のパズルが解けたのである。

 だが、この人類史上最も重要な石碑は、考古学者たちが砂漠を何年も掘り返して見つけたものではない。1799年、エジプトに侵攻していたナポレオン軍の兵士たちが、ロゼッタ(ラシード)という町で「ただの砦の補修工事(土木作業)」をしていた時に、たまたま土の中から掘り出したものなのだ。

 一介の兵士たちが「ただの邪魔な石」として叩き割っていれば、古代エジプトの歴史は今も闇の中だったかもしれない。

2. 第一次世界大戦の引き金となった「運転手の道間違い」(1914年)

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暗殺場面を描いた新聞挿絵 アキーレ・ベルトラーメ – パブリック・ドメイン, リンク

 1914年6月28日、オーストリアのフランツ・フェルディナント大公がサラエボを訪問した際、暗殺者の凶弾に倒れた。これが第一次世界大戦の直接の引き金となった「サラエボ事件」だ。ここまでは教科書で習う通りだが、実はこの事件の裏には、恐ろしいほどの偶然が重なっている。

 大公夫妻は、この日の朝に「一度目の暗殺未遂」に遭っており、爆弾を投げつけられていた。しかし大公は予定を変更せず、怪我人を見舞うために病院へ向かうことを決意する。

 ここからが運命の分かれ道だ。大公を乗せた車の運転手が、なんと道を間違えてしまったのだ。そして慌てて車をUターンさせようと停まったそのカフェのテラス席には、朝の暗殺に失敗してヤケ酒(あるいはコーヒー)を飲んでいた暗殺グループの一人、ガヴリロ・プリンツィプが偶然座っていたのである。

「標的が向こうから目の前にやってきた」ことに驚いたプリンツィプは、すかさず銃を抜き、歴史を変える2発の弾丸を放った。運転手が正しい道を走っていれば、数千万人が犠牲になる世界大戦は起きなかったかもしれない。

3. 休暇明けの「カビ放置」が数億人を救ったペニシリン(1928年)

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アレクサンダー・フレミング 帝国戦争博物館所蔵の写真 – パブリック・ドメイン, リンク

 医学の歴史において、最も偉大な発見のひとつが「ペニシリン(抗生物質)」だ。かつてはちょっとした傷から感染症を起こして死んでしまうのが当たり前だった人類を、この薬が劇的に救い出した。

 しかし、この奇跡の薬もまた、天才的な計算によって生み出されたものではない。科学者アレクサンダー・フレミングの「ずぼらな性格」が生んだ偶然の産物なのだ。

 1928年、フレミングは研究室のペトリ皿(培養皿)を片付けずに、そのまま放置して長期休暇に出かけてしまった。休暇から戻り、カビだらけになったペトリ皿を捨てようとした時、彼はある異変に気づく。青カビが生えている周囲だけ、細菌が死滅して透明になっていたのだ。

 この「偶然飛んできたカビの胞子」と「皿を放置したズボラさ」が合わさることで、世界初の抗生物質ペニシリンが誕生した。もし彼が休暇前にしっかりと皿を洗う几帳面な性格だったら、人類の寿命は今よりずっと短かったかもしれない。

4. ベルリンの壁を崩壊させた「勘違いのフライング発言」(1989年)

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CC 表示-継承 3.0, リンク

 東西冷戦の象徴であった「ベルリンの壁」。この強固な壁が崩れ去ったのも、東ドイツの役人による「うっかりミス」が原因だった。

 1989年11月9日、東ドイツ政府は国民の不満を和らげるため、旅行規制を「翌日から、段階的に」緩和するという決定を下した。しかし、この決定を記したメモを渡された政府報道官のギュンター・シャボフスキーは、内容をよく把握していなかった。

 生放送の記者会見で「旅行の自由化」を発表した彼に対し、記者が「それはいつからですか?」と尋ねた。焦ったシャボフスキーは、手元のメモをパラパラとめくりながら「私の認識では……遅滞なく、今すぐです」と答えてしまったのだ。

 この「今すぐ」という発言がテレビで流れた瞬間、東西ドイツの国境検問所に数万人もの市民が殺到した。パニックになった国境警備隊は、群衆の圧力に耐えきれずにゲートを開放し、そのまま熱狂した市民たちによって壁は物理的に破壊されてしまったのである。

 一人の役人の「書類の読み間違い」が、結果的に冷戦を終わらせ、歴史の時計の針を数年も早めてしまったのだ。

 歴史は、偉人たちのドラマチックな決断だけで作られるわけではない。「道間違い」「掃除のサボり」「生放送での言い間違い」といった、私たちの日常にもある小さなバグが重なったとき、世界は思いもよらない方向へと転がり始めるのである。

参考:MENTAL FLOSS、ほか

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