「骨の湖」ー 最新科学でも解明できない、ヒマラヤの奥地に眠る正体不明の人骨

 ヒマラヤの奥地に眠る正体不明の人骨――。「骨の湖」と名付けられたループクンド湖の謎を、海外メディアが取り上げている。

■日本兵の遺体と誤認 氷河湖に眠る人骨の謎

 インド北部、中国およびネパールとの国境に接するウッタラーカンド州、標高5000メートル。切り立った山々が連なるヒマラヤ山脈の一角に、「骨の湖」と呼ばれる氷河湖がある。

 ループクンド湖――人里から離れ、夏季を除いては雪と氷に覆い尽くされる、小さく浅い、瓦礫に囲まれた水たまり。多くの者が足を運ぶ理由が思いつかないその場所から、突如として数百体もの人骨が発見されたことが、俗称の由来となっている。

 事の起こりは第二次大戦の只中である1942年、未踏地の探査にあたっていたハリ・キシャン・マドワル(Hari Kishan Madhwal)が、これらの人骨を発見したことに始まる。

 インドを支配下におく大英帝国は報告を受け、その正体を越境攻撃を企てた日本兵の遺体ではないかと推測したが、劣化具合はより古い年代の骨であることを如実に物語っていた。

 そして時代はめぐり、21世紀。現地における簡易的な調査のほかは、ほぼ顧みられることもなかった人骨の謎に、ようやく科学のメスが入ることとなる。

「骨の湖」ー 最新科学でも解明できない、ヒマラヤの奥地に眠る正体不明の人骨の画像1
「Daily Mail」の記事より

■悪天候による大量死か?

 2004年に『ナショナルジオグラフィック』誌が遠征隊を組織し、副葬品とともに30体分の人骨を回収したことを皮切りに、本格的な研究は始まった。

 湖に散乱する人骨には共通点があり、頭蓋骨や肩甲骨に著しい損傷が確認されていた。また地元には、王族が巡礼中に暴風雨に巻き込まれて遭難死したとの伝説も存在していた。

 これらの事実から、突然の嵐によってクリケットボール大のひょうが降り注ぎ、湖の付近を通過していた旅人の大量死を引き起こしたとの仮説が立てられた。湖は身を隠す木々すら生えない標高にあり、満足に避難ができなかったというこの説には説得力があったので、研究者の間では有力なものとして語られるようになった。

 だが、そのような事故による影響を否定する新発見が、直近の研究によってもたらされた。

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