【研究で判明】臨死体験をした人は「予知夢」を見たり「体外離脱」をするようになる!? 科学者が明かす“脳のバグと超覚醒”

一大ライフイベントとなる臨死体験は、その後に見る夢をも変えるのか――。新たな研究によると、臨死体験後は夢の記憶力や明晰度が向上し、予知夢を見ることもあるという。
■臨死体験後は夢が超リアルに
人間の脳は依然として謎に包まれている。科学者たちは脳のシナプスやニューロンを驚くほど詳細に検分してきたが、主観的な意識、つまり自分が自分であるという感覚は“意識のハードプロブレム”としていまだに解明の糸口さえつかめていない。
しかし研究者たちはその内なる世界を垣間見ることができる魅力的な手がかりを一つ持っている。それは臨死体験(NDE)だ。
臨死体験とは医学的な死の淵をさまよった人の5分の1以上が報告している意識状態の変化のことである。
臨死体験の内容は人によってさまざまではあるが、50年近くにわたる研究で、臨死体験に共通する特徴がいくつか明らかになっている。
たとえば、大いなる安らぎと喜びの感情、体外離脱体験(OBE)、亡くなった親族との出会い、時間の感覚の変化、明晰さの向上などである。
ニュージーランド・マッセイ大学のニコール・リンジー氏は2018年から臨死体験(NDE)を研究している。
リンジー氏と彼女の研究チームは2024年8月に「Dreaming」で、2025年12月に「Psychology of Consciousness: Theory, Research, and Practice. Advance」で発表した2つの研究で、夢の領域において臨死体験が人生を通して個人に及ぼす影響を深く掘り下げている。
「Dreaming」の研究では、研究者たちは臨死体験をした138人、死にかけたが臨死体験をしなかった45人、どちらも経験していない129人にインタビューを行っている。
研究チームは、夢の想起、感情の強さ、明晰さなどの側面を評価するために使用されるよく知られた心理学的ツールであるマンハイム夢質問票(MADRE)を使用して、臨死体験をした人は、臨死体験をしていないグループと比較して、夢の想起と強度が高く、興味深いことに、より肯定的な夢を見ていることを突き止めた。
「私は幼い頃から、非日常的な意識状態に興味を持っており、私自身も数々の特別な、あるいは長時間の意識状態を経験してきました」と、この研究の筆頭著者であるリンジー氏は心理学メディア「PsyPost」に語る。
「臨死体験(NDE)は、機能する肉体が存在しない状況を含め、極限状態下で意識がどのように機能するかについての洞察を与えてくれます」(リンジー氏)

「Psychology of Consciousness: Theory, Research, and Practice」に掲載された研究において、リンジー氏らは臨死体験後に個人の夢が劇的に変化した詳細を明らかにしている。
たとえばバジル氏という参加者は、以前は見た夢を思い出せるのは1週間か2週間に1回程度であったが、臨死体験後は毎晩の夢を思い出せるようになったと述べている。また臨死体験後には夢が非常に鮮明になり、夢と覚醒の境界が以前よりもはるかに曖昧になったと報告する者もいた。
この研究はさらに明晰夢、体外離脱体験、前世の夢、さらには予知夢といった例外的事例の報告も探究している。
「参加者が語った変化は、個人のアイデンティティ、精神性、そして現実認識におけるより広範な変化を反映しており、それは臨死体験そのものによって開始され、夢の状態を通して維持・強化されたプロセスであるように思われる。したがって、夢は臨死体験中にアクセスした意識状態の継続または拡張として機能する可能性がある」(研究論文より)
しかしこれらの研究では、臨死体験後に夢が根本的に変化するように見える正確なメカニズムを特定することはできなかった。皮肉にも意識の謎がまた一つ増えてしまったのかもしれない。ともあれ臨死体験者が見る超リアルな夢がどんなものなのか、一度見てみたいものである。
参考:「Popular Mechanics」ほか
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