頭痛で起きたら“英国なまり”になっていた米国人! モノマネではない… 奇病「外国語様アクセント症候群」の謎とは?

 米メディアABCのニュース系列社「KNXV」は、2018年2月に興味深いある症候群に関するレポートを報じた。それは「外国語様アクセント症候群(Foreign Accent Syndrome)」と呼ばれる病気で、ある日を境に突然患者の発声が外国語なまりのようになるという珍しい医学的症状を呈するものだ。


■突然外国語なまりになる「外国語様アクセント症候群」とは

 外国語様アクセント症候群は通常、脳の損傷などの神経学的外傷や脳梗塞によって発症する。1907年に初めて記録され、現在までに研究者は数百以上の事例を研究発表してきた。

頭痛で起きたら英国なまりになっていた米国人! モノマネではない… 奇病「外国語様アクセント症候群」の謎とは?の画像2この症候群について語るミッシェルさん 画像は「ABC15 Arizona」より

 例えば、この症候群の患者であるアリゾナ州出身のミシェル・マイヤーズ(45歳)さんのケースだ。ミシェルは過去7年間に3回、ひどい頭痛が起き、そのまま眠りに落ちた。初めの眠りから覚めると、彼女のアメリカ英語はアイルランドなまりの英語になっていた。

 その次の眠りの後にはオーストラリアなまりの英語になり、これらはそれぞれ約1週間続いた。そして今から2年前、またしても彼女はひどい頭痛に襲われたが、それ以来ずっと、彼女の英語は英国なまりになっている。しかし、ミシェルさんはアメリカを出たことは、かつて一度もなく、それらのアクセントを持つ人々と接触したこともない。

 彼女は精神疾患でないことを確認する目的で、精神科医に送られた。専門家は、彼女は精神疾患でなく、またアクセントを真似しているわけではないと診断し、彼女は正式に外国語様アクセント症候群と診断された。

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