頭痛で起きたら“英国なまり”になっていた米国人! モノマネではない… 奇病「外国語様アクセント症候群」の謎とは?

■モノマネとは明らかに異なる

 また、外国語様アクセント症候群などという病気は実在せず、患者が外国人のアクセントを真似ているだけだと疑う人も多い。しかし、この症候群の人と、単にアクセントを真似しようとする人の間には明確な差がある。

 各言語には、発音に独自の特徴がある。例えばある言語を母国語とする人は、「R」の音を非常に強く発音したり、ある母音を発音する時に巻き舌になったり、唇を閉じて発音したり、子音を飲み込んで発音しなかったりする。それらの特徴によって、その人の話す言葉は外国語様アクセントになる。

 この症候群の人は話す時に一字一句間違いなく、全ての母音、子音と特定の音に毎回、その特徴が出る。それが「外国アクセント様症候群」であって、アクセントを単に真似しようとする人とは明らかに区別できると研究者は説明する。

 そしてこの症候群は、患者の母国語が出現したアクセントの言語にいくらか類似している場合に生じるケースがほとんどらしい。(例として、アメリカ英語を話すミッシェルがイギリス英語やオーストラリアなまりの英語になったように)。

Наталия КогутによるPixabayからの画像

 アメリカは人種のるつぼなので、その人の英語のアクセントを聞くと国の内外にかかわらずだいたいの出身地がわかる。それがその人のアイデンティティでもあるのだが、もし自分とは縁もゆかりもない国のアクセントになってしまったら、やはりかなり困惑することは間違いない。

 研究によって脳に何らかのダメージが加わることによって発症することまでは解明しているが、いまだに詳細なメカニズムは不明だ。人間の脳には、まだまだ人知の及ばない不可思議な部分が多いようだ。

参考:「Science Alert」、ほか

 

※当記事は2018年の記事を再掲しています。

TOCANA編集部

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