歴史に埋もれていたUFO誘拐事件…70年前、ビッグ・タジャンガ・キャニオンで一体何があったのか

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 70年前にLGBTQコミュニティの女性がエイリアン・アブダクションの被害に遭っていた――。ロサンゼルス郊外の峡谷で何が起こっていたのか。

■70年前に起きていたエイリアン・アブダクション

 米カリフォルニア州ロサンゼルスの中心街から北に車で30分ほど走ると意外に思えるほどの大自然が広がっている。ビッグタジャンガ峡谷(Big Tujunga Canyon)と呼ばれる荒涼たる一帯は、不気味で不穏な噂も絶えず、迷子や行方不明になる者も少なくないという。スティーブン・スピルバーグ監督の『E.T.』でエリオットの家のロケ地となった場所でもある。

 1980年に出版された著書『The Tujunga Canyon Contacts(タジャンガ峡谷での遭遇)』では、ビッグタジャンガ峡谷の山小屋で、1953年3月 22日の午前2時頃、サラ・ショーとジャン・ホイットリー(いずれも仮名)という2人の女性が空に浮かぶ光を放つドーム型UFOからビーム光線を照射されて引き上げられ、内部に連れ込まれてからは頬長い顔をしたエイリアンから身体に何らかのオペレーションを施されたことが記されている。

画像は「LAist」より

 1961年にニューハンプシャー州ホワイト・マウンテンズで起きた「ヒル夫妻誘拐事件」よりも前に起きたエイリアン・アブダクション事件ということになり、もっと注目されてしかるべき事件であるが、被害女性たちはこの地にあったLGBTQコミュニティの女性たちで、当人たちは1970年代になるまでこの体験を外に話さなかったことが、あまり知られることがなかった理由と考えられる。

 超常現象研究者のC・S・マシューズ博士は「Tujunga Canyon Contacts: Revisited, Reconsidered(タジャンガ峡谷での遭遇:再訪、再考)」と題された記事で次のように記している。

「2000年代以前の(あるいは今でも田舎の)小さな町のレズビアンコミュニティがどのようなものだったかを覚えている人なら誰でも、タジャンガ峡谷の証言の表面下で、友人関係と恋愛関係が重なり合う力学が働いていることに容易に気づくだろう。ドラッフェル(『The Tujunga Canyon Contacts』の著者)の関係の描写は、当時の精神を反映しており、禁忌的な社会規範により匿名性が認められていた」

 当時のLGBTQコミュニティはきわめて社会から隔絶されており、当人たちが自ら表に出ることもほとんどなかったため、この歴史的なエイリアン・アブダクション事件は長らく広く知られることはなかったのである。

 しかしここビッグタジャンガ峡谷ではかねてから超常現象が多く起きていることは確かで、探せばほかにもUFOの目撃やエイリアン・アブダクションがあってもおかしくはない。

 殺風景で荒涼としたビッグタジャンガ峡谷は好んで行くような所ではなく、仕方なく通り過ぎるだけの土地という認識が定着しているということだが、今後の調査によってはロズウェルや「エリア51」 のような“UFOホットスポット”と肩を並べるエリアになる可能性を秘めているのかもしれない。

参考:「LAist」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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