科学者たちは“バミューダトライアングルの謎”を「解決」したのか!?

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 原因不明の海難事故や失踪が相次ぐフロリダ、バミューダ、プエルトリコの岬を結ぶ北大西洋の三角地帯、いわゆるバミューダトライアングルの謎は遂に解き明かされたのか――。複数の専門家による有力な仮説が登場している。

■バミューダトライアングルに“謎”はない!?

 北大西洋には長年にわたって数隻の船や飛行機の失踪が多発する海域、いわゆる「バミューダトライアングル」の伝説があるのだが、1945年12月5日にフロリダから離陸した「フライト19」と呼ばる5機の軍用機が行方不明になった後にその悪名は轟くことになった。

 すぐに救助機が派遣されたが、それも行方不明になり、機体の残骸や搭乗者の遺体なども見つかっていない。

 それ以前からこの海域では約50隻の船と20機の飛行機が行方不明になったといわれており、1918年の「USS サイクロプス」の失踪、1948年のダグラス機「DST」の失踪など、注目すべき事件が数多く発生している。

 いったいこのバミューダトライアングルで何が起きているのか。エイリアンの仕業であるという説もあればワームホールがあるという主張などもあるくらいなのだが、科学者たちはこのバミューダトライアングルの謎をどう考えているのか。

●“暴れ波”説
 英サウサンプトン大学の海洋学者サイモン・ボクソール氏は「Channel 5」のドキュメンタリー『The Bermuda Triangle Enigma(バミューダトライアングルの謎)』で“暴れ波(rogue waves)”説を展開している。暴れ波は周囲の波の2倍の大きさに達することもある、きわめて激しい波で予測不可能な海流活動である。

「南と北に嵐があり、それらが合流します。フロリダからさらに嵐が来れば、致命的な暴れ波が形成される可能性があります」(ボクソール氏)

 暴れ波説のほかにもメキシコ湾流が原因かもしれないと示唆している科学者もいるという。

●鉱物の磁気説
 2018年のBBCのテレビドキュメンタリー『Secrets of the Bermuda Triangle(バミューダトライアングルの秘密)』の中で、鉱物学者のニック・ハッチングス氏は、「海底火山」で見つかった鉱物が航海する者を迷わせた可能性があるという考えを提唱している。

「バミューダは基本的に海の山、つまり海底火山です。3000万年前には海面より上に突き出ていました。磁鉄鉱を含むコアサンプルがいくつかあります。これは地球上で最も磁性を持つ天然物質です」

 強力な磁気によって方位磁石をはじめ機器が狂いはじめ、人々はこの海域で迷子になったという。

「古代の船乗りたちがバミューダを通り過ぎた姿を想像してみてください。とても不安なことだったでしょう」(ハッチングス氏)

●悪天候と人為的ミス説
 一方、オーストラリアの科学者カール・クルシェルニツキ氏は、今回の失踪は「悪天候と人為的ミス」の組み合わせによるものだと示唆している。

「ロイズ・オブ・ロンドンと米国沿岸警備隊によると、バミューダトライアングルで行方不明になる飛行機の数は、割合で言えば世界のどことも同じです」(クルシェルニツキ氏)

 跡形もなく消えた「フライト19」の5機の軍用機についてクルシェルニツキ氏は、この編隊のパイロットにベテランは1人しかおらず残りはすべて新人パイロットであったことを指摘している。

画像は「Wikipedia」より

●過剰情報収集説
 映画監督でユーチューバーのジョニー・ハリス氏は、このテーマについてより哲学的な見解を示している。クルシェルニツキ氏の見解と同様、バミューダトライアングルで失踪が特に多いわけではなく、人々がこの海域で起きた失踪を故意に歴史から掘り起こしているためであるというのだ。

「人間は現実を見るための素晴らしいツールを開発しました。私たちは世界についての何百、何千、何万もの観察結果を収集することができ、それらを一度に脳に収める必要はありません。なぜなら、私たちはそれらを時間をかけて記録できるからです。もしそうしたら、20年間にわたって記録された何万もの海上での事故や死傷者の中で、ここでは異常なことは何もなかったことがわかるでしょう」(ハリス氏)

 海は基本的に危険であり、バミューダトライアングルの予測不可能性は実はほかの海域と何ら変わるところはないということなのだろうか。そうだとすればはじめから“謎”は存在していなかったということになるのだが……。

参考:「LADbible」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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