天の存在が人類を創造した！？マヤ文明の天地創造物語「ポポル・ヴフ」とは

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　マヤ文明の創世記ともいわれている「ポポル・ヴフ」には天の存在が人類を創造した神話が綴られている。古代宇宙飛行士説が示すように、やはり人間は地球外生命体によって作り上げられたのだろうか――。

■マヤ文明の天地創造物語「ポポル・ヴフ」

　現在のグアテマラのマヤ系先住民、キチェ族が残した「ポポル・ヴフ（Popol Vuh）」は古代マヤ文明の聖典とも称されており、人類文明の起源が物語られている。

　4部構成からなるポポル・ヴフは、この世のすべてのものがどのようにして生まれたのかについて説明しており、“他の存在”が人間を創造したことがはっきりと記されている。

“他の存在”とは神であり、創造主、創造者、支配者である。神は人間を創造しただけでなく、地球をはじめすべてのものも創造したのである。

　しかしこの“天地創造”は簡単だったわけではなく、我々の先祖となる人間を作り上げるのには幾度も失敗を重ねたという。

「また天に助言がある。『もう一度試してみよう。我々の乗り物、養い手となる者を作ろう』。そこで創造主は人間を作ろうと決めた。彼らは赤い土で人間の肉を形作った。しかし人間を作ったとき、それが良くないものであることが分かった。人間は一貫性がなく、無力で、不器用で、水っぽい。言語能力は与えられたが、知性はなかった。そしてすぐに、まっすぐに立つこともできずに水に飲み込まれてしまった」（ポポル・ヴフ）

　神々は再び相談し、コルクの木から男を、柳から女を造ることにした。しかし結果はまったく満足のいくものではなく、それらはただの“木の人形”過ぎなかった。彼らは地球の表面に住み、増殖したが、心も知性もなく、創造主の記憶もなかった。彼らは役に立たない生活を送り、動物のように暮らした。

　彼ら（木の人形）が天の心に思いを向けていなかったため、地表は暗くなり、陰鬱な雨が降り始めた。

　彼らは絶望してあちこち逃げ回った。彼らは屋根の上に避難したが、家は彼らの下で崩れ落ちた。彼らは木に登ろうとしたが、木々に揺さぶられ、洞窟に入ろうとしたが、洞窟は彼らの前で閉ざされた。こうして“木の人形”は絶滅したのだが、森の中で小さな類人猿として生きる彼らの子孫が数人だけ残った。

　こうして失敗作である“木の人形”が事実上絶滅すると、再び神々は協議して新たな人間の創造に取り組んだ。

「再び神々が集まり、創造主は4人の完璧な人間を作った。彼らの肉体は完全に黄色と白のトウモロコシで構成されていた」（ポポル・ヴフ）

　数々の失敗を経て、神々はようやく満足のいく人間の創造に成功したのだ。

「最初の者の名はバラム・キッツェ、二番目はバラム・アガブ、三番目はマフクタ、四番目はイキ・バラムであった」（ポポル・ヴフ）

　この4人についてのポポル・ヴフは次のように言及している。

「彼らには父も母もなく、また普通の制作者のありふれた技術によって作られたわけでもなく、彼らの存在は創造主の特別な介入によってもたらされた並外れた奇跡であった。まことに、ついに神々はその起源にふさわしい存在を目の当たりにした」（ポポル・ヴフ）

　ポポル・ヴフの記述には地球外の“他の存在”がどのように人間を創造したかについての詳細な説明がなされている。“他の存在”は何度かの試みの末、遂に人類を創造したのである。

　とすれば先進的なエイリアンが地球上で人間を創り文明を授けたとする「古代宇宙飛行士説」はポポル・ヴフによっても裏付けられているのだろうか。我々はどこから来たのか、その“オリジン”の探究にポポル・ヴフもまた大きなヒントを投げかけてくれるようだ。

参考：「Ancient Code」ほか

文＝仲田しんじ

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